ソフトバンクの絶対的主砲・柳田悠岐外野手(35)が9日、福岡市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、5000万円ダウンの年俸5億7000万円プラス出来高払いでサインした。

 7年契約の4年目を迎えた今季は、9年ぶりに全試合に出場して最多安打のタイトルを獲得。リーグ3位の打率2割9分9厘、同2位の85打点、同5位の22本塁打の成績を残した。会見では「(球団から)『衰えずやってくれてありがとう』と言ってもらった。それだけで頑張ってよかったなと思います」と、球団との人間味あるやり取りを明かした。

 2019年オフにメジャー挑戦を断念して、本人が「運命」と語る〝生涯ホークス〟を意味する7年契約を締結。節目とする23年オフに、契約形態を〝見直す〟のではなく〝切り替える〟従前の内容通り、言うなれば機械的に判を押した。球団からの「衰えずやってくれてありがとう」という言葉に評価の高さがうかがえる。だとすれば、5000万円の減俸に疑問符がつくかもしれない。

 ただ、そこは甘い汁を吸い続けるタイプとは無縁の漢・柳田。「その辺にはフェードアウトすると思っていたんで」。4年前、パフォーマンスの低下どころか「最短で23年引退」の可能性すら否定しなかった。加齢には抗えない。球団と現場の重荷になることを嫌う。球界に限ったことではないが、高額年俸者に〝回収〟を求めるあまり、現場に起用我慢を強いる心理的なスパイラルは働きがちだ。使う側、使われる側双方に〝身軽〟のメリットがある。よほどの成績を並べない限りは減俸。それは4年前に柳田自身が望み、申し出た雇用形態だった。

 この4年は減俸のない変動制で、選手としては破格の契約だった。ただ、その間すべてで規定打席に到達。無冠のシーズンはわずか一度だけで、打撃主要部門で常に上位につけてきた事実は尊い。同僚選手らの評価は「ああ見えて、超真面目」。珍しいほどに、妬みの声が聞こえてこない高額年俸者だ。この先も周囲を幸せにする言動とパフォーマンスで、鷹に忠誠を尽くす。(金額は推定)