新日本プロレスのKOPW争奪戦(17日、山形ビッグウイング)は、挑戦者の「Just 5 Guys(J5G)」タイチ(43)が「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」SHO(34)を破り、2か月ぶりのタイトル奪還に成功した。

 同争奪戦はタイトル保持者と挑戦者の双方がルールを提案し、ファン投票によって決まるのが通例だ。だが、今回はタイチがどんなルールでも受け入れる方針を示したため、H.O.TはEVIL、ディック東郷、高橋裕二郎、金丸義信から、それぞれ4通りのルールが提案されるという異例の事態となった。

 結果的にファン投票で採用されたのは「金丸義信レフェリーマッチ」。9月の神戸大会では金丸がJ5Gを裏切り、H.O.Tに加勢。タイチはSHOにタイトルを奪われた経緯があるため、遺恨渦巻く3選手がリングに立つことになった。さらに敗者は山形を追放、SHOが提案した禁止技も同時に適用され、タイチは得意技の大半を使えなくなった。

 ルールにがんじがらめにされた挑戦者は案の定、序盤から苦しい展開を強いられた。場外でH.O.Tに袋だたきにされても、レフェリーの金丸は見て見ぬふり。さらに〝極悪レフェリー〟こと故阿部四郎さんばりの高速カウントを入れられ追い込まれた。

 不条理な戦いが続く中、それでもタイチが外道クラッチを決めるが「肩が浮いている」と難くせをつけられ、カウントを止められてしまう。これでタイチもプッツン。レフェリーに猛抗議するが、ここで東郷のパウダーが金丸の誤爆。さらに視界を失ったところでSHOのトーチャーツール攻撃も誤爆し、レフェリー不在となった。

 リング上は無法地帯となったが、ここでJ5Gセコンド陣がH.O.Tを排除。ようやくSHOと1対1の状況になり、タイチのジャンピングハイキックがズバリ決まる。すかさずサブレフェリーのレッドシューズ海野が入ったところで、タイチ式ラストライドでトドメを刺した。

KOPWベルトを奪回したタイチ
KOPWベルトを奪回したタイチ

 試合後、タイチは「あいつがクソみてえなルールをつくったせいで、みんなに不快な思いをさせて悪かった。みんなの声援が届いたので、KOPW、取り返すことができました。ありがとうございます」と山形のファンに感謝を述べた。

 意地でも負けられない理由もあった。「どんなに不利な状況でも結果を残さないといけなかったんだよ」と切り出すと、義兄が悪性リンパ腫で闘病中であることを明かした。

「明日どうなるかわからない状況で闘ってんだよ。人生の不利な状況で。そんな中で不利な状況でも戦えること、見せなきゃなんねえだろ。俺は戦いで見せることができるし、こういうことで報われる連中もたくさんいるんだ。俺の戦いを通じて勇気や活力、希望を与えることもできんだよ」

 もちろんH.O.Tとの戦いは、まだ続く。「年内、これで終わりじゃねえぞ。金丸、覚悟しとけよ! どんなルールでもいいぞ。どんな不利な状況でも、必ず結果出してやるから!」と金丸を争奪戦の相手に指名。J5Gの巻き返しが始まる。