オリックスに後がなくなった。阪神との日本シリーズ第5戦(2日・甲子園)はリリーフ陣の炎上で2―6と逆転負けを喫し、対戦成績も2勝3敗で王手をかけられた。4日の第6戦(京セラ)から巻き返しを図るが、中嶋監督はエース・山本由伸(25)を先発とリリーフの両ニラミで勝負をかける考えだ。今オフのMLB移籍が濃厚となっていることから、国内最終登板となる可能性が高い無双右腕が命運を握る。

 相手の波状攻撃に飲み込まれた。田嶋の好投でオリックスは2点をリードしながらも8回に山崎颯が近本に適時打を許して1点差。3番手の宇田川が一死二、三塁から森下に左中間を破られる痛恨の逆転適時三塁打を浴びた。

 息を吹き返した阪神打線をリリーフ陣は止められず、6点を献上して完敗。中嶋監督は「宇田川は3連投だったけど、状態がいいと聞いてたんで…。ここを三振とってくれるかと思ったけど、相手もうまく打ちましたし、しょうがない。追い込まれたわけですから開き直るわけじゃないけど、京セラに帰りますし、2つ勝たないといけない。何とか頑張りたい」と述べ、巻き返しを誓った。

 カギを握るのは山本になりそうだ。28日の日本シリーズ初戦(京セラ)に先発して6回途中を7失点降板し、この日はベンチ入りしてブルペン待機。出番はなかったが、中嶋監督は残り2試合でもエースの〝スクランブル発進〟を考えている。というのもリリーフ陣がこの日に打たれた宇田川、故障明けの山崎颯に加え、山岡、阿部、山田、ワゲスパックにも不安定さが残り、守護神の平野を除くと信頼できるのは小木田と変則右腕のベテラン・比嘉ぐらいしか見当たらない。そこでエースに両ニラミでスタンバイさせ、命運を託す覚悟だ。

 この日、宇田川がリリーフ陣で初めて3日連続の登板となった。コンディションを最優先させてこれまで3日連投はさせなかったが、連続日本一をかけた天下分け目の短期決戦で〝禁〟を破った。「いける投手で総力戦でいくしかない。競った展開になるだろうし、重圧のかかる場面で投げられる投手は限られてくる。両方できるのは山本しかいないということ。宮城、東のことも踏まえ、監督はいくつかのケースを考えていると思う」(チーム関係者)

 来季からメジャー移籍を視野に入れる山本にとっても次回が国内最終登板の可能性が高い。前回、前々回とらしくない内容が続いたことで心配の声もあるが、絶対に負けるわけにはいかない。3年連続の投手4冠、沢村賞に輝いた男の〝ラスト無双〟がチームを救う。