ウクライナ戦争とガザ紛争は本質的に異なる。前者がロシアとウクライナの国家間戦争であるのに対して、後者はイスラエルによるハマスというテロリスト集団の解体作戦だ。最大の違いは、ハマスがユダヤ人である属性を理由に殺害していることだ。
日本の報道はパレスチナに同情的なので、イスラエルの論理がよく伝わってこない。対して英米の新聞はイスラエル側の論理に立った報道が主流だ。ハマスによるテロの特徴が英紙「デーリー・テレグラフ」の電子版(「ザ・テレグラフ」)の記事を読むとよくわかる。
<イスラエル政府は、ハマスのテロリストに殺害された乳児の遺体と思われる生々しい写真を公開した。小さな遺体袋の中に、ベビー服とおむつを着せられたままの血まみれの乳児が横たわっている。乳児の顔はぼかされている。白いオーバーオールを着た2人のイスラエル人法医学者の手袋をはめた手が背景に見える。「これは、これまで掲載した中で最も難しい画像です。この文章を書いているとき、私たちは震えています」、「私たちはこれを掲載するかどうか何度も迷いましたが、皆さん一人ひとりに知っていただく必要があります。これは起きたことです」とイスラエル政府外務省はX(旧ツイッター)に投稿した。/イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はさらに踏み込んで、乳児の黒焦げの遺体を写した写真を数枚公開した。ネタニヤフ氏は「ハマスの怪物によって殺され、焼かれた乳児の恐ろしい写真だ。ハマスは非人間的だ。ハマスはISIS(『イスラム国』)と同じだ」。>(英紙「ザ・テレグラフ」電子版、10月12日)。
「ザ・テレグラフ」が掲載した乳児の遺体について、なぜそのようなことをハマスが平気でできるのかという内在的論理を考えなくてはならない。
乳児には政治的にも軍事的にも一切責任がない。この乳児たちはユダヤ人だという理由だけで、ハマスに殺されたのだ。
ロシア軍がウクライナ人だという理由だけで、ウクライナ軍がロシア人だという理由だけで相手を殺害することはない。ハマスの目的はユダヤ人とイスラエル国家を抹殺することだ。このようなテロ組織との並存は不可能だ。まさにイスラエル国家とユダヤ人が生き残れるかというイスラエルの生存権がかかっている。
テロ組織ハマスを中立化するイスラエルの政策を理解するという基本認識に日本政府も立っているのだが、なかなか新聞やテレビからは、その事実が伝わってこないのが残念だ。









