王者に屈したロッテはいよいよ後がなくなった。先発に澤村を起用する「ブルペンデー」で連勝を狙ったが、打線が振るわなかった。
そんななかでも安田尚憲内野手(24)がプレーオフで別人のような活躍を見せている。16日のソフトバンクとのファーストステージ第3戦では、延長10回に値千金のサヨナラ打。19日のファイナル第2戦でも9回に同点適時打を放つなど無類の勝負強さを発揮している。
本人は好調について「楽に打席に立てていますし、気持ち的にも落ち着いて入れているので。そこがいい結果につながっている」と淡々。平常心で試合に臨めていると強調する。だが、安田の今季の公式戦成績は122試合で打率2割3分8厘、9本塁打、43打点。周囲の期待とは程遠い内容で、プロ入り後に打率2割5分を超えたのは昨季の2割6分3厘だけ。2桁本塁打に至っては一度も到達していない。
そんな未完の大器の〝開眼〟に周囲は目を丸くするばかりだが、本人は今季開幕前から悲壮な覚悟で臨んでいた。その一端をのぞかせたのが、今年1月にソフトバンク・柳田らとともに行った合同自主トレだった。
この自主トレには阪神・佐藤輝ら将来を嘱望される若手野手陣が参加。その中でも安田が「やっぱり刺激を受ける」とライバルの筆頭に挙げていたのが同期の清宮(日本ハム)だった。
プロ入り前から仲が良い半面、プロ入り後は常に攻守の実力を比較されてきた。さらに2人の同期には昨季3冠王に輝き、今春のWBCにも出場したヤクルト・村上が君臨する。村上の躍進ぶりが注目されるたびに安田はファンや周囲から厳しい視線にさらされた。
そんな状況もあり本人は「僕も(今季)6年目ですから。清宮もですけど、(シーズンを通して)結果を残さないと。その思いは本当に強い」と胸中を明かしていた。その覚悟がありながら無念のシーズンを送り、最後につかんだCSの大舞台。燃えないわけがない。
試合後の安田は「守りに入らずどんどん攻めていけたらいい」。晩成型の大砲が再び何かを起こすかもしれない。












