〝至宝〟をどう生かすのか――。日本代表は17日に行われた国際親善試合チュニジア戦(ノエスタ)で2―0と快勝した。13日のカナダ戦で出番がなかったMF久保建英(22=レアル・ソシエダード)が先発出場して1アシストなど活躍。主力の不参加が続出する中で存在感を見せたが、まだレギュラー奪取には至っていないのが実情だ。元日本代表MF前園真聖氏(49=本紙評論家)は、久保の活用法をさらに試すよう提言した。

 この日は久保がトップ下、MF伊東純也(スタッド・ランス)が右サイドに入り、カタールW杯後の新チームとなってから初めて同時に先発。すると、さっそく抜群のコンビネーションを披露した。

 1―0で迎えた後半24分、左サイドを久保が突破してゴール前へ絶妙なクロスを供給。これに逆サイドから伊東が走り込んで合わせ、試合を決める2点目を奪った。久保は「僕もウイングをやっているし、使いやすい。分かりやすい特長を持った選手なので、一緒にプレーするのが簡単」と伊東との連係に大きな手ごたえを見せた。

 強烈な存在感を発揮した久保だが、現在の森保ジャパンではまだ〝序列〟の最上位には到達していない。2列目では、9月のドイツ戦で先発起用された右サイドの伊東、トップ下のMF鎌田大地(ラツィオ)、左サイドのMF三笘薫(ブライトン)が〝鉄板〟で、その牙城を崩せていないのが現状だ。

 チュニジア戦後には久保も「(評価は)ちょっとは上がったんじゃないか、今回」と言いつつも「そもそも来ていない選手もいるし」と〝非レギュラー〟の立場を理解している。

 前園氏はかねて久保と伊東の同時起用を提唱しており、今回の試合でついに実現。2人の連係から得点が生まれて一定の成果を得た。それでも今後へ向けて、森保監督にはまだまだできることがあるとみている。

「久保をどのように生かすか。とにかく、さまざまな形を試していってほしいです」とスペインでブレークし、今まさに旬である久保を軸にした起用法の選択肢を増やすようプッシュする。その一例が、トップ下でこれまで久保よりも〝序列上位〟に位置する鎌田との併用だ。

「久保はトップ下でも十分やれます。これまでは鎌田がまず使われていますが、鎌田はボランチ(守備的MF)もできますし、本人もそちらのほうがプレーしやすいと話しています。そういう形でも見てみたいです」と提言する。さらに「他にも、伊東ではなく久保が右に入って鎌田がトップ下という形であったり、そうした試みはW杯本大会や最終予選など大事な試合で、いきなりはできません。時間がある今だからこそ、やってほしいです」。ビッグ3どころか〝四天王〟の共存も可能というわけだ。

 森保一監督は、今後の久保の起用法について「一番生きるのは右ウイングかな。トップ下でも彼の良さが出る。プラス、インサイドハーフでのプレーも彼の良さを十分発揮できる」と多くの選択肢を模索中だが…。どのように至宝を活用するかが、森保ジャパンの大きな課題となりそうだ。