契約満了により今季限りで退任するソフトバンクの藤本博史監督(59)が17日、ペイペイドームで退任会見を行った。「しんどかった2年だったが、楽しい2年間でもあった」と湿っぽさを嫌う人情味ある監督らしく覇気ある声で淡々と質疑に応じた。ただ、在任期間を振り返る過程で「やっぱり、ここってという時に勝てなかった…」と言葉を詰まらせ沈黙。昨季シーズン最終戦でオリックスに逆転V逸を許した悔しさが込み上げ、雪辱を果たせなかった無念を押し殺すことができなかった。
手塩にかけた教え子のメールに、思わず感情があふれ出た――。藤本監督はこの日、2年間「主将」を託した柳田悠岐外野手(35)との退任後のやり取りを明かした。「メールを交換して『胴上げさせられず、すいませんでした』ときました」。そう語ると再び言葉を詰まらせ、唇を震わせ、目に涙を浮かべた。柳田の入団年に球団に復帰し、コーチに就任。選手と指導者としてだけではなく、妙に波長の合う間柄で悩みや不満、悔しさ、喜びを共有して多くの時間をともにした師弟だった。
昨季、シーズン最終盤に満身創痍だった柳田がチーム内で「奇跡的パフォーマンス」と今も語り草になっている活躍を見せたのは、ひとえに「〝藤本さん〟を胴上げしたい」という一心で見せた火事場の馬鹿力だった。その姿がきっと涙目には浮かんでいたはずだ。
「監督としてはやっぱり悔しい。あれだけ大型補強してもらっているわけだから、何とか優勝、日本一になりたかったが、それができなかったのは僕の責任。選手はみんな頑張った」。チームの過渡期に重責を引き受けた指揮官。最後に見せた涙も、人情味があった。












