WWEのPLE「ファストレーン」(7日=日本時間8日、インディアナ州インディアナポリス)で、〝キング・オブ・ストロングスタイル〟中邑真輔(43)が大死闘の末に惜しくも世界ヘビー級王座を逃した。

 世界ヘビー級王者セス・ロリンズ(37)との遺恨決着戦は、地獄の「ラストマン・スタンディング・マッチ」。反則OKで勝利は10カウントKOのみの完全決着ルールだ。前回PLEに続き連続挑戦となる中邑は、極悪レスラーに変貌。背中に故障を抱えた王者を、心身ともにいたぶってきた。

 白装束で入場した中邑は、ロリンズを「カモーン!」と得意のポーズで挑発した。これに呼応したロリンズはいきなり竹刀を持ち出すと、パイプイス、特大アルミ缶にテーブルをリングに投げ込んだ。中邑も負けじとリング下からヌンチャクを取り出し、ロリンズの脚をぶっ叩いた。さらにロリンズの頭からアルミ缶をかぶせ、竹刀でめった打ちにしたが、王者も竹刀攻撃からフロッグスプラッシュで反撃する。

 中邑はコーナーにテーブルを立ててキンシャサを放つが、かわされてストンプを浴びた。さらに王者からラダー(脚立)の一撃をくらうも、実況席へのテーブル葬は回避。観客席の階段になだれ込むと、ロリンズに急所打ち。すかさず階段から落下させた。それでも立ち上がってき王者の背中にイスを連打し、マットがはがされた場外の床にロリンズを背中から叩きつけた。

 場外のテーブルに寝かせたロリンズにはダブルニードロップを発射。テーブル葬に処したものの、王者は驚異のタフネスで立ち上がる。場外でラダー上での攻防になると、中邑は何と真っ赤な毒霧を噴射だ。1月1日のノア日本武道館大会で名勝負を繰り広げたグレート・ムタから継承したレッドミストを顔面に浴びせ、ロリンズを実況席に落下させた。

 それでも王者はカウント9で立ち上がる。白熱の攻防に、観衆は「This is awesome!(これぞ名勝負!)」の大チャントだ。攻防は場外へと移り、観客席下の段差で王者はペディグリーからストンプ。続けて、ファルコンアローで機材上に中邑もろとも落下した。会場からは一斉に「Holly shit!(超スゲー!)」のチャントが上がる壮絶な一発。レフェリーのカウントが進む中、中邑は必死に立ち上がろうとしたが、カウント9で前のめりに崩れ落ちた。同時にロリンズは何とか立ち上がり、勝利を手にした。

 中邑は王者を土俵際まで追い詰めるも惜敗。それでも、ムタ戦に匹敵する名勝負を繰り広げた。〝キング・オブ・ストロングスタイル〟が、極悪レスラーとして新境地を開いたのは間違いない。