日本ハムの上沢直之投手(29)がMLB挑戦への熱い思いを語った。ポスティングシステムによる今オフのメジャー移籍を熱望しており、球団も容認する方針だ。一方で3年連続4冠が決定的なオリックス・山本由伸投手(25)やDeNAのエース左腕・今永昇太投手(30)も今オフの大リーグ挑戦が見込まれ、海の向こう側では今オフの〝ポスティング目玉選手〟として脚光を浴びている。2人に比べて国際大会の経験が少ない上沢に対するMLBの〝リアル評価〟は――。

 今季24試合の登板で9勝9敗、防御率2・96。2021年以来となる2桁勝利こそ逃したものの規定投球回を上回るチーム最多のシーズン170回を記録した。それでも上沢は表情を曇らせながら「僕にとっては苦しい1年だった。(毎試合)長いイニングを投げたいと思ってやっていた。その点に関しては良かった。ただ、もっと自分の中ではできると思ってオフシーズンから取り組んでいたので。そういった点では少し残念かなと思います」と振り返った。

 昨オフの契約更改で自ら球団側にポスティングによるメジャー移籍を直訴。結果を残せなかった悔しさは今も心に残るが、MLBでプレーしたい気持ちは不変だった。

 今季から海を渡ったライバルたちが次々と異国の地で躍動。その刺激も上沢の心を支えた。

「必然的に(今季は)メジャーの試合を見る回数は増えました。やっぱり千賀さん(メッツ)とか。アメリカでもすごいんだなって思いましたし。それこそ藤浪(オリオールズ)も。(2人が)いいピッチングすると何かこう改めて僕も感じるものはあったので」

 日本ハムはすでに上沢の米球界挑戦の思いを受け止め、シーズン終了後にポスティングシステムの申請を行う意向を固めている。

 今季は上沢の登板時に米球団関係者がネット裏へ集結。移籍が現実的になったシーズン後半にはドジャース、タイガース、カージナルスなど5球団以上の米スカウトや関係者が視察した試合もあった。こうした状況を考慮すれば、上沢の米移籍は濃厚と言える。

 とはいえ、各球団の評価はあくまで「先発陣の4、5番手候補」。今オフの米移籍が濃厚視される山本と今永の〝侍ジャパンコンビ〟と比較すれば、どうしても評価は低いのが現状だ。「故障が少なく長いイニングを投げられることは評価できる。ただ、年齢面や1年を通して中4日の先発ローテを守れるかという点では疑問符が残る。現年俸(推定1億7000万円)以上の契約にはなるはずだが大型契約は難しい。おそらく2年契約で年俸ベースは2~5億円程度が妥当でしょう」(ナ・リーグ関係者)

 厳しい現実を突きつけられる可能性は残るが、それを自覚するかのように上沢は「僕はプロ野球界で突出したスピードボールがあるわけではないし、とんでもない変化球があるわけじゃない。『全部を使いながらケガせず1年間タフに長いイニングを投げられます』というのが僕の強みだと思うので」と言い切った。

 29歳右腕の新たなステージに注目が集まる。