今オフにもメジャー挑戦を目指す日本ハムの上沢直之投手(29)が、ここにきて複数のMLB球団から熱視線を浴びている。

 昨オフの契約更改交渉で球団側にポスティングによる移籍を志願し、今季19試合に投げて7勝6敗、防御率2・70。延長12回の末に引き分けた18日のオリックス戦(京セラ)でも、9回120球を投げて1失点とエースの名に恥じない投球を披露した。

 12年目の上沢は通算68勝。2桁勝利は2度あるもののタイトルと無縁だったせいか、これまでメジャーの移籍市場ではそれほど注目を集めてこなかった。だが、その状況が一変しているという。メジャーに精通するパ球団の編成担当がその内情を明かす。

「今オフにオリックス・山本やDeNA・今永、西武・高橋らのメジャー移籍がうわさされていますが、彼らは国際大会での経験や日本球界での十分な実績があるため、実際にメジャー球団が獲得となると相当な金額が必要と言われています。特にポスティングでの移籍が濃厚な山本に関しては、すでにメジャーの大半球団が調査済みで評価も高い。その影響で最低でも5年総額100億円は必要と言われています。そうなると資金面で劣る球団は、必然的に獲得競争から脱落しなければならない。そこで『それなら資金がそれほどかからない日本の有望投手を』ということで、複数球団が上沢の獲得に前向きになり始めているのです」

「勝ち星」以上の評価を得ている上沢
「勝ち星」以上の評価を得ている上沢

 確かに上沢は山本や今永、高橋に比べれば「圧倒的」な活躍はしていない。だが、昨季までの2シーズンで計20勝をマーク。投球回数も2年連続150回以上と抜群の安定感を誇る。にもかかわらず年俸は山本の6億5000万円に対して、1億7000万円とメジャーでは「格安」の部類に入る。これがメジャーの複数球団から「お買い得」と高評価を受けつつあるのだという。

「一部の球団ではすでに『山本や今永らに大金を投じるぐらいなら、たとえ失敗しても上沢を獲得した方がいい』という声も出ているそうです。山本の試合を視察に訪れるメジャースカウトは後を絶ちませんが、最近ではその山本の視察と並行して上沢の調査に本腰を入れている球団も多い。このまま上沢がシーズン終盤戦に結果を残して10勝以上したら、他の選手以上に獲得競争がし烈になる可能性は十分あると思います。そうなれば、送り出す日本ハムもある程度の金銭が見込めるため、移籍を容認するでしょう」(前出編成担当)

 昨オフ、阪神からメジャー移籍した藤浪晋太郎(アスレチックス→オリオールズ)は年俸4900万円からまさかの4億円超え(325万ドル)という異例の高評価を勝ち取った。そんな経緯もあるだけに、代理人の交渉や複数球団の獲得競争次第では、上沢も異例の大型契約が期待できるのかもしれない。