日本時間8日夜にアルゼンチンとの大一番を迎える、ラグビーW杯フランス大会の日本代表。勝てば2大会連続の8強進出へ。難関突破となった先週のサモア戦では、大黒柱リーチ・マイケルの「珍しすぎる姿」が話題となった。

 フッカー(HO)はスクラムのフッキングとともに、ラインアウトでボールを投げ入れるスロワーも専門職とする。サモア戦ではこのポジションの堀江翔太が一時退場となった際、リーチが代わりを務める場面が見られた。通常なら、他の選手を外してHOを投入するところだった。

 そのためファンは激レアシーンが見られ、リーチはジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチに怒られたとも報じられた。

 一方、SNSでは「前はフランカーのスロワーって結構いた」「30年前のリフトがない時代はフランカーがスロワーってパターンよくありましたよね」といった投稿も少なからず見られる。

 実際、「ミスター・ラグビー」故平尾誠二氏の恩師で、「スクール☆ウォーズ」のモデルとしても知られる元日本代表フランカー(FL)の山口良治氏は、伝説となった1971年のイングランド代表戦当時、「FLでスローイングしていました」と雑誌の取材に回顧している。「タックルマン」の元代表FL石塚武生氏(故人)もスロワーを務めていた。

 80年代も初期ごろはナンバー8のスローが報道写真で見られる。日本代表監督を務めた故日比野弘の入門書(80年刊行)では、ラインアウトの図解でスロワーにFLの背番号である「6」がついている。

 かつてラインアウトのスローイングはHOだけでなくFLも行うことが珍しくなかった。ラグビーの現代化でFLはロック並みの大型化が進み、ジャンパーを持ち上げるリフティング(サポーティング)が90年代に認められるようになると、スロワーはもっぱら比較的小柄なHOの仕事に。今では「器用なフッカーが任されることがほとんど」との解説もある。

 その意味においては、確かにリーチのスローイングは「超レア」ではあった…。