大きな1勝だ。セ4位の巨人が24日に横浜スタジアムで3位・DeNAを相手に6―0で快勝し、2ゲーム差へ詰め寄った。先発した戸郷翔征投手(23)が今季2度目の完封勝利、自己最多タイとなる12勝目を挙げて勝利に貢献した。CS出場に向けて負けられない戦いが続く中で、ポーカーフェースの右腕が淡々と投げ続けた113球。普段から冷静沈着な投球が持ち味の若きエースだが、その裏には〝熱過ぎる一面〟も隠されていた。
戸郷は立ち上がりからテンポのいい投球でDeNA打線を圧倒。初回を打者3人で終わらせる好スタートを切ると、その後も球威ある直球とフォークを織り交ぜながら快投を続けた。
力投に応えようと打線も坂本の通算1000打点到達となる21号2ラン、さらにダメ押しの22号3ランなどで計6点の援護を加えると、最後は右腕がスコアボードに9つ目の「0」を並べて完封勝利を決めた。
試合後の戸郷は「『これを勝たなかったら終わり』くらいの気持ちで入った試合だったので、なんとか勝ちがついてよかった。またCSに向けてチーム一丸となってやっていければ」と力強くコメント。原監督も「球数もテンポも、ナイスピッチングですね。やっぱりピンチのあとにチャンスありというかね。ああいうのを抑える投手はありがたいですよ」と激賞した。
まだ23歳とフレッシュな印象ながら、物おじしないひょうひょうとした振る舞いも目立つ戸郷。一方で時にひょうきんな側面も見せることで、その愛される人柄から今季は投手キャプテンに就任するなど既に投手陣の大黒柱を担っている。
それでも、その裏に隠された素顔は誰よりも熱い闘志を秘めた男でもある。2歳上の兄・悠大さんは、幼少期の戸郷の性格をこう振り返る。
「ポーカーフェースですが、相当な負けず嫌い。小さい頃は兄弟げんかばっかりしてましたよ」
いつも近くで見ていた兄弟だからこそ、その熱い性格が手を取るように分かった。
「捕手から投手に転向した時は、家で隠れてずーっと練習してましたよ。グラウンドではおちゃらけているけど、裏では猛練習するタイプ。隣の部屋から『シュッシュッ』と延々とシャドーピッチングする音が聞こえてきましたからね」(悠大さん)
野球少年時代のエピソードを本人に尋ねると「やってたのかな? やってたんじゃないですか」と照れ笑いを浮かべながらも肯定。さらには「野球が本当に好きだったんで。映像見たりとか、それを見ながらシャドーしてる時もあったし。なんか懐かしいですね…。そんな時もありましたよ」と当時を懐かしみながら白い歯をのぞかせ、努力の根底にある野球愛も明かした。
グラウンドで見せる明るくもクレバーな表情とは裏腹に、奥底には〝熱男〟な一面も秘めている戸郷。さらなる進化を遂げた今季の飛躍の裏側では、静かなる闘志が常にみなぎり続けている。












