世界最大のプロレス団体、米「WWE」で注目の日本人対決が実現する。次回のスマックダウン(SD)大会ではWWE女子王者の〝逸女〟イヨ・スカイ(紫雷イオ)が、同王座をかけて〝明日の女帝〟アスカと対戦。スターダム退団後の2018年6月にWWEに移籍し、紆余曲折を経て5年で世界一の女子プロレスラーに上り詰めた逸女は今、何を思うのか。日本では〝姉貴分〟だったアスカへの思い、知られざる4年間の苦悩、そして気になるあのスーパースターについても本紙に激白――。

 ――8月の「サマースラム」でタイトルを奪取

 イヨ 中心に躍り出たんだなという感慨深さと同時に責任感が増しました。世間に自分がやっていることが届くのは2年かかるなっていうのが私の中で持っていた感覚なんですけど、1年でロウ登場からチャンピオンまでいった。ウサイン・ボルトばりの猛スピードでアメリカンドリームを爆走している感じです。

 ――WWEのチャンピオンは夢だった

 イヨ 16歳でプロレスラーになって、17、18歳のときにレイ・ミステリオを見て、いつか私もアメリカでスーパースターになりたいって思った。立体感ある動きで大きな相手を倒していくところが、自分の体の大きさでも成功できる糸口になるかもしれないなって。それが、今は会場でレイ・ミステリオとハグとかするんですもんね。「あなたにあこがれていた」って言ったら「光栄だよ」って。めっちゃいい人でした(笑い)。

 ――苦労もあった

 イヨ NXTでのキャリアもかなり順調だったんですよ。でも期間が4年あったので、自分にとって長いなって。メインロースターに行くのかなと思いながら、何のインフォメーションもない。2年はコロナもあって会社自体が動かない。試合ができる状態なのに、試合がなかった週もあって。「私はここで何をするんだろう?」って自問自答する期間が長すぎたのがつらかった感じです。

 ――2022年4月には月面水爆を放った際に負傷。4か月欠場した

 イヨ そんなメンタルだったからかわからないですが(右の)距骨というカカトの中の骨が折れていました。プロレスで骨折したの初でしたし、プロレスのケガで手術したのも初。今でも足首にボルトが入っています。

5年で世界一の女子プロレスラーに上り詰めた〝逸女〟イヨ・スカイ
5年で世界一の女子プロレスラーに上り詰めた〝逸女〟イヨ・スカイ

 ――帰国したいとは

 イヨ 思いましたね。アメリカが嫌とかじゃなく、ここでやれることがないんだったら日本に行ったらもっとやれることが広がっているんじゃないかっていう意味で。かつて私がいたスターダムの状況も変わったし、日本を離れて大きく成長できたので、今度は違う働きを日本で見せられるなという自信がありつつだったんですけど。

 ――踏みとどまったのは

 イヨ 自分の中のポリシーで、あきらめることはしないと。アメリカは「契約を終わりにしたい」と打診することもできる。でも、それは絶対にしたくないということで、まず契約が終わるまで頑張ろうと目標を立て1年近くとどまったのかな。あと1か月で契約が終わるというところで(22年8月の)「サマースラム」に登場しました。

 ――次回のSDではアスカ選手を迎え撃つ

 イヨ アメリカでほぼほぼやり尽くして実績を積んでらっしゃる。なおかつ年月が長い分、知名度はアスカさんのほうがあるのは心から尊敬しています。ただ、私はたった1年でそのアスカさんを王者として迎え撃つ側に立った。あとアスカさんと違い、日本の皆さんにも理解してもらえてるなと思う。わかりやすく日本で一番を取り、世界でも一番を取ったので。

 ――日本では共闘したことも

 イヨ それこそレイ・ミステリオにあこがれていたくらいの時期に「トリプルテイルズ」というユニットで一緒にやっていた。お姉さんみたいな存在で、よくしてもらいました。あのころの私はすごいしょっぱかったし、自信もなかった。正直言うとアスカさんに拾ってもらったんです。今は日本語で「バーカ」とか言い合っていますが、私は東京のシティーガールなんで、関西弁でまくし立てられると口では勝てない。けど、イヨ・スカイのプレートがついたこのタイトルは私の腰から動きませんから。姉さん、覚悟しといてや。

 ――今後の目標は

 イヨ 今年の「レッスルマニア」に出させていただきましたが、次はシングルマッチとかタイトルマッチをやりたい。あと、かなっていないのが日本凱旋。そろそろ、日本の皆さんに試合をしている姿を届けられる機会が増えるような予感がします。

 ――3月に対面した大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手がケガのため今季終了となった

 イヨ パワーをいただいたこともあって私は世界一に輝けた。世界中のみんなが応援していますが、私もその一人としてチャンピオンパワーも含めてエールを送り続けています。ケガを乗り越えてまた活躍される姿を楽しみにしています。

☆イヨ・スカイ 5月8日生まれ、神奈川・鎌倉市出身。紫雷イオのリングネームで2007年3月4日のMAKEHEN新木場大会でデビュー。12年3月にスターダムに入団し、ワールド王座「V14」の最多連続防衛記録を樹立。15~17年度の「プロレス大賞」女子プロレス大賞を3年連続受賞。18年6月にWWEに入団し、22年8月のメインロースター昇格と同時にリングネームをイヨ・スカイに。得意技はムーンサルトプレス。156センチ、54キロ。