【取材の裏側 現場ノート】女子プロレス界で気になるカードが浮上している。「スターダム」の〝お騒がせ女〟ジュリア(29)と、元WWEのSareee(27)だ。
3日の広島大会で新日本プロレスのSTRONG女子王座のV3に成功したジュリアが、今後の防衛ロードについて語った取材の中で、名前を挙げた選手の一人がSareeeだった。すると、2日後にはシードリングのビヨンドザシーシングル王座を持つSareeeがすぐに反応。「私も戦いたい」と前向きな言葉を述べた。
2人の接点といえば、2019年6月18日に新木場で開催された「田中稔デビュー25周年記念大会」で、当時アイスリボンに所属したジュリアとディアナ所属だったSareeeがシングルで対戦したことがある程度。試合はSareeeが勝利したが、2人の間に因縁などはない。
では、なぜジュリアの中にSareeeの名前があったのか。2人のシングルから4か月後、ジュリアは突如アイスリボンの寮を飛び出し、スターダムのリングに電撃登場。これが大騒動に発展した。当時のジュリアにはSNSなどを通じ、ファンだけでなく、他団体の関係者たちからも厳しい声が殺到。まさに八方ふさがりだった。
そんな中、ジュリアのもとには共通の知人を通じて「ジュリアの行動力はすごい。頑張って」というSareeeからの〝メッセージ〟が届いた。どん底だったジュリアにとって、どれだけ心強かったことだろう。「Sareeeさんが…本当ですか? 本当にうれしいです」。感謝の思いから涙が止まらなかったという。
その後、新天地のスターダムでトップ戦線へと駆け上がったジュリアは20年7月にワンダー王座を初戴冠。このころ、ふと目にしたプロレス専門チャンネルで、ゲスト出演していたSareeeが「ジュリア選手とは戦ったことがあるんですけど、すごい選手なんですよ」とコメントしてくれたことも忘れていない。
それらの言葉は今でもジュリアの胸に刻まれている。〝運命の糸〟は結ばれるのか。機運が高まるその日が訪れることを楽しみにしたい。