ラオウのバットがVカウントダウンを加速させた。17日の楽天戦(京セラドーム)は4―4で迎えた8回、一死二塁から8番・杉本が左中間を破る適時三塁打を放って勝ち越しに成功し、6―4で逆転勝利。ロッテも破れ、優勝マジックを5に減らした。

 先発の宮城が8回途中を7安打4失点で勝利投手の権利を持って交代。2番手の宇田川が岡島に痛恨の同点打を浴びて試合が振り出しに戻ったが、ラオウが巨体をゆすっての激走で決勝点を叩き出した。

 お立ち台では「京セラで久しぶりに打てたのでうれしい。ここしかないな、と思って打席に入った。ちょっと先だったけどいいとこに飛んでくれてよかった。激走? 僕は足速いんで当たり前やと思います。今日は徳島から親友の高島君が応援に来てくれているんでヒーローになれてよかった」と笑わせた。

「高島くん」とは小、中、高の同級生で徳島商野球部の同僚だった高島佑氏。今年初めて観戦に訪れ「今まで招待したら僕が抹消されていた。僕がいない試合に見に来てくれたことはあります。地元に帰ったら今もゴルフやご飯行ったり、今も仲がいい」という。

 まだまだ本調子とはいかないまでも犠飛を含む3打数1安打2打点の活躍。「1打席目からボールの見え方がいい感じだった。みんな頑張ってるんで僕も負けないようにしたい。その日ダメでもまだ次の日に試合があるので切り替えが大事。出れなかった時期もあったんで1個1個取り返していきたい。目の前の1試合を必死にやらないといけない立場。結果、優勝してたらいいなという感じ」と気を引き締め、中嶋監督も「ボール球を振らなかったらいい結果になる」とうなずいた。

 最短Vは20日のロッテ戦。何としてもホームで決めたい。