昨年10月1日に死去したプロレス界のスーパースター、アントニオ猪木さん(享年79)の一周忌法要と「燃える闘魂 アントニオ猪木之像」の除幕式が12日、神奈川・横浜市鶴見区の総持寺で営まれた。プロレス界からはレスラー、関係者120人が参列。猪木さんが創設した新日本プロレスのオカダ・カズチカ(35)は改めて故人の偉大さを感じると同時に、〝親離れ〟の決意を明かした。

 新日本プロレスからはオカダのほか、相談役で猪木さんの盟友だった坂口征二氏、棚橋弘至、永田裕志、天山広吉、小島聡、タイガーマスク、全日本プロレスからは宮原健斗ら15人、ノアは清宮海斗ら5人、弟子では藤原喜明、蝶野正洋、藤田和之、小川直也氏らが参列。法要を終えると猪木家の墓の敷地内に場所を移し、ブロンズ像の除幕式が行われた。闘魂タオルを首にかけた若かりし日の猪木さんの半身像で、肉体のイメージモデルはオカダが務めたこともIGF(猪木元気工場)から明かされた。

 除幕式後、取材に応じたオカダはブロンズ像について「カッコよかったですよね。すごい雰囲気を感じましたし、猪木さんを応援していた人たちが見て『懐かしいな』って気持ちになってくれるぐらいの、すごくいい銅像だった気がしますね」と絶賛した。

 一方で「こうやって猪木さんに手を合わせに来るたびに、気が引き締まるというか。しっかり戦っていかなきゃいけないし、新日本プロレスを盛り上げていかないといけないなと思いましたね」と自身にムチを入れた。

 猪木さんが亡くなった昨年は団体創設50周年のメモリアルイヤーだった。オカダをはじめとした関係者たちが切望していた来場はかなわなかったが、死去直前には終身名誉会長に就任。今年1月4日の東京ドーム大会は追悼大会として行われた。3月のお別れの会(両国)で遺族などから「1、2、3、ダーッ!」の後継者として指名されたオカダは、6月の「ALL TOGETHER AGAIN」(両国)も同フレーズで締めくくった。

 猪木さんへのリスペクトを全身で表現してきたが、一周忌法要を機に新たなフェーズに突入しなくてはならないと主張する。「正直、これで区切りにしなきゃダメだなという気持ちはあります。猪木さん色が強くなりすぎていたというか…大事なものは、もうしっかり受け継いでるつもりですし、自立していかないといけないなと」とキッパリ。「まだ映画(10月6日公開の『アントニオ猪木をさがして』)もありますけど、僕の中では猪木さんを追いかけるのはやめましょうと。猪木さんをずっと追っていてもしょうがないし、今のオカダ・カズチカを見せていかなきゃと思いますね」と決意を新たにした。

 新日本の生みの親である猪木さんと団体は、波瀾万丈の50年間を歩んだ。2005年に保持していた株式を売却し翌年に団体を去ると、約14年間にわたり険悪な関係が続いた。

「でもこうやって最後の最後に、いろいろ順番は違うかもしれないですけど、お家に帰ってきてもらって、いい形でお別れができたと思うので」と笑みを浮かべたオカダは「ここからはいつまでも親に頼る状態ではなく、今の新日本プロレスを見せていくことも大事だし。親の教えは受け継いでいって、恥をかかせないようにやっていきたいですね」と〝親離れ〟を宣言した。

 有形無形の遺産を受け継いだ上で、プロレスの新時代を築くことこそが猪木さんへの親孝行。不滅の闘魂を、これからもセルリアンブルーのリングで燃やし続ける。