オリックスが「アレ」なしでVロードを突き進んでいる。セ・リーグではもっか阪神が「アレ」をキーワードに18年ぶりの優勝に向けて盛り上がりを見せているが、3連覇を狙うオリックスは粛々と歩を進めている。

 中嶋監督が円陣で掛ける言葉は毎回「今日の試合を絶対勝つぞ」だけ。ある選手は「目の前の試合に集中し、その積み重ねがいい結果につながる。阪神さんは久々なので盛り上がっているみたいですけど、僕らはいつもと変わらないです。ロッテとのゲーム差を気にしたこともないし『マジックが減ったね』くらいは言いますけど、優勝の話も選手間では出ないし、浮足立つ感じはまったくないですね」と冷静だ。

 一方でモチベーションにしているのが個々のキャリアハイだ。オリックスは日替わりオーダーが続き、レギュラーは数人しか固定されていない。そのためシーズン佳境になっても競争意識が続き「出ている試合に何とか結果を残したい。だからロッテの結果は気にしなくても自分の数字を気にしている選手は多いですよ」(ある選手)。その日の打席の結果や練習での状態に神経をとがらせ、選手間でお互いの調子を分析し、意見を交わすこともある。個人成績ばかり考えるとチームがバラバラになりがちだが「ウチに関してはそれがいい方向に行っている」という。

 5日の西武戦(ほっともっと)はルーキー曽谷が5回無失点に抑えながらも打線が西武の継投の前に5安打と沈黙し、0―5と零封負け。中嶋監督は曽谷を「持っているボールはいい。新人の投手に早めに勝ちをつけてあげたいですけど…」と残念がった。優勝マジックは16のまま。目指すのはまた次の1勝だ。