黒船の覚醒は本物だ。ソフトバンクのカーター・スチュワート投手(23)は6月の交流戦から一軍戦力に加わると、安定感のある投球で先発ローテーションに定着。ここまで9試合に登板して3勝4敗ながら、防御率2・61と好パフォーマンスを持続している。

 最速160キロを誇る右腕は全米ドラフト1巡目指名を受けるも入団に至らず、翌2019年に異例の日本球界入りを選択。6年契約の5年目にして、ペナント終盤の大事な6連戦のカード頭を託されるまでに成長した。「やっぱり初戦を任せてもらえるのは意気に感じます」。重圧を力に変えられるタイプで、メンタル面の充実がうかがえる。先月29日に長崎で行われたオリックス戦では7回無失点の快投。地方球場にもかかわらず、異例の視察を行ったメジャー球団に確かなインパクトを与えた。

 真価を発揮し始めた背景を本人はこう解説する。「今までは『自分はこれくらいできますよ』というのを人に示さなければいけないって気持ちが強かったんです。でも、今は『自分の持っているものを出せれば抑えられるんだ』という気持ちで投げられている。『やれるもんならやってみろ』という気持ち。そういうのが少しずつ結果につながっているんだと思います」。安定した投球でチームの信頼を勝ち取ったことが好循環を生み、成長を後押ししている。

 5日のロッテ戦(ペイペイ)では3週連続で6連戦の頭を担う。3ゲーム差で追いかける2位との上位対決にも「自分がいいスタートを切れれば、その週はチームとしてもいい戦いができる。必ずしも関係があるとは限らないけど、自分の中では関係があると思って意識して投げたいです」と頼もしさが日々増している。チームが過渡期を迎える中、希望の光であることは間違いない。