開幕まで1か月を切った「Mリーグ」2023―24シーズン。最大の注目は新チーム「BEAST Japanext」の参戦だろう。本紙は3週にわたり、同チームの一員としてMリーグに殴り込みをかける選手をインタビュー。まずは1巡目指名された猿川真寿を直撃。誰もが気になるその雀風とは?

 ――過去の放送対局などでは劇的なアガリが多く、「攻撃型」といわれたり、「モンキーマジック」と称されることも。自身の麻雀をどうとらえていますか?

 猿川 う~ん、どうなんだろう。やみくもに攻めているわけでもないですし、結構細かい部分まで考えているので、マジックというよりは老獪(ろうかい)な麻雀かと思いますけど。どちらかというと相対的というか、僕は相手との距離感や相手の心理という部分を重視するんです。例えば、こう切ったら相手はどう考えるかとか、放銃した後だから出てきづらいだろうなとか、局面に応じてですけど、基本的には相手の嫌がることをして、相手に好きなことをさせない。相手に面倒臭いと思われるように打っていますね。

 ――それは22年というプロキャリアで培ったもの?

 猿川 やっぱり麻雀って相手に気持ち良く打たせないのが大事だとは思っています。

 ――1人でやる競技じゃないですもんね

 猿川 例えば、全員が正着打ったら(最も正しい選択だと考えられる打牌をしたら)、一番ツイている人、言い方を変えれば調子がいい人が勝つじゃないですか。じゃあ、自分よりちょっと調子が良さそうな人をまずどうやって落とすかを考えるんですよね。終盤が近くなったら、1人ずつ(トップの)目をなくしていくようなことも考えます。脱落させていくというか。最終的に自分が勝つためにいろいろやるので、自然と参加率も高くなるから、攻撃タイプだとも言われるんじゃないですかね。

 ――Mリーグでも同じように戦う?

 猿川 そうですね。やっぱりビーストですから基本は攻めつつ、僕自身も引いて負ける、オリて負けるのがすごく嫌なので、やはり参加率は高くなると思います。

 ――自信は

 猿川 ここ2年は割と麻雀の内容も充実していますし、ある程度はやれるんじゃないかと。最近のMリーグを見てても、オリる場面、引くのが早いなという場面が多いような気がして、だからこそ先手を取るタイプの選手が活躍しているように見えるので、だったら僕みたいなタイプの方がいいかなと。まあ、今季の傾向がどうなるかは分かりませんから、始まってから考えますけど。

 ――先ほどの話だと相手のことも知らないといけません。研究も?

 猿川 ざっくりですね。研究しすぎて思い込みを持ちすぎると失敗するので。

 ――やりづらそうな選手はいますか?

 猿川 う~ん、どうだろう、特にはいないですかね。一番やりづらそうなのは(鈴木)大介さんですけど、同じチームになったから戦わないで済む。その点は安心してます(笑い)。

 ――チームの中では1巡目指名としての役割もありそう

 猿川 一応キャプテンですけど、勝ったら「頼りになるな」、負けたら「キャプテンでも負けるんだから」ぐらいの立ち位置でいいんじゃないですか。

ビーストポーズ!
ビーストポーズ!

 ――間もなく開幕ですが緊張は

 猿川 僕、競技人生で一度も緊張したことないんですよ。そんな自分が緊張するかどうかも含めて楽しみですね。

 ――「こういう部分を見てほしい」というものはありますか?

 猿川 結構ギリギリまで押すので、僕の試合はドラマが起きやすい。自分が勝っても負けても、「つまらない半荘だったね」とはなりづらいタイプなので、楽しんでいただけるとは思いますし、僕自身も「神半荘」と呼ばれるような対局を見せたいですね。高いレベルの選手同士がしのぎを削ると、時にものすごいものが生まれるじゃないですか。僕で言ったら、2019年の「麻雀最強戦」で多井(隆晴)さん、勝又(健志)さん、白鳥(翔)さんとやった試合があるんですけど…

 ――「男子プロ代表決定戦 悪魔の逆襲」ですね。全21局、伝説の名勝負でした

 猿川 勝ったのは白鳥さんで僕は結局負けてしまったんですけど、実力の120%を出せて、いい勝負ができた。個人的にはすごくいい作品を作れたなと。プロとしては勝つことはもちろんなんですけど、後世に語り継がれるような対局を残すのも大事だと考えているので、Mリーグでもファンの皆さんの記憶に残るような勝負をお見せできればと思います。

自らの麻雀を大いに語ってくれた
自らの麻雀を大いに語ってくれた

 ◆さるかわ・まさとし 1979年4月18日生まれ。日本プロ麻雀連盟所属。2008年第17期麻雀マスターズ獲得。「麻雀最強戦2023『最高勝率決戦』」で優勝。大舞台での勝負強さに定評がある。

 ◆BEAST Japanext(ビースト・ジャパネクスト)2023―24シーズンから参戦する新チーム(Mリーグ9チーム目)。「ドラフト会議指名オーディション」優勝者の菅原千瑛のほか、今回インタビューした猿川、プロ棋士とプロ雀士の二刀流で話題の鈴木大介、元乃木坂46でプロ雀士の中田花奈の4人で戦う。