【赤ペン! 赤坂英一】「阪神に優勝マジックはつきましたけど、カープらしく、泥臭く、食らいついていけば、チャンスは出てくる。これからもまだまだ粘り強く戦っていけたらなと思います」

 今季もゴールが見えてきた中で、広島・堂林が大いに気を吐いている。20日の巨人戦では中押し3ラン、22日のDeNA戦でも2打席連続本塁打と下位チームを突き放す打棒を発揮。8月の月間打率も3割台と主砲並みの大活躍である。

 中京大中京のエース兼4番として2009年夏の甲子園優勝に貢献し、その年のドラフト2位で広島に入団。「鯉のプリンス」と呼ばれて14年目の今年、32歳で遅ればせながらやっとレギュラー定着か、と思わせる。

 ところが、堂林本人にはその気はサラサラないらしい。20日の試合後も淡々とこう言っていた。

「(起用法は)チームの事情とか、相手投手との相性もありますし、そういう欲はあんまりない。準備の部分ではやることは変わらないので、任されたところで仕事ができればいいと思います」

 今がチャンスとばかりにアピールするのは堂林の性に合わないのだろうか。むしろ現在のような“準レギュラー”のほうが調整しやすいそうだ。

「夏は強いほうではないんで、(試合に)出たり出なかったりしてるぶん体調を整えて臨めているのかな。それがいい方向にいってると思います」

 それはその通りなのかもしれない。が、そんなあっさりした性格が堂林特有のじれったいところでもある。新井監督も選手時代、先輩として指導した堂林を評して、こうコボしていたものだ。

「堂林はこれまで、ちょっと打つとすごく期待されて、何度も使われて、どれだけ打つかと思ったら、そこから結果が続かない。だから、チームもファンも、見ていてじれったくて、じれったくてしょうがない。堂林本人が真面目にやってるだけにね。ある意味、現役時代の私とそっくりです」

 しかし、堂林の打撃は確実に向上していたようだ。当時の新井の証言。

「堂林の打撃の技術自体は、着実にレベルアップしています。ただ、これまでは鈴木誠也(現カブス)のように周りの選手が堂林以上に力をつけてきたため、なかなか彼にチャンスがめぐってこなかった。まだまだ、これから本人次第ですよ」

 今季優勝は逃しても、まだCSが控えている。さらに、来年の新井カープは今年以上に結果を求められる。堂林にかかる期待はまだまだ大きい。がんばれ、プリンス!