完敗だった。エンゼルスは15日(日本時間16日)のレンジャーズ戦で0―12と大敗を喫した。投手陣が13安打12得点と打ち込まれ、打線もシャーザー、ぺレスのリレーの前に僅か1安打で零封された。

 注目の大谷翔平投手は「2番・DH」で先発出場したものの2三振を含む3打数無安打に終わり、打率3割3分となった。

 これでチームの借金は2。同じア・リーグ西地区首位のレンジャーズに直接対決で敗れ、その差は12・5ゲームと大きく突き放された。ワイルドカード争いでも圏内3位のブルージェイズとは7ゲーム差にまで広がった。

 米メディアの間ではエンゼルスのポストシーズン進出が早々と絶望的なムードになってきたことで、大谷をトレードに出さず「買い手」に転じたチーム戦略の是非について論争も起こりつつある状況だ。米全国紙「USA Today」に所属する敏腕記者のボブ・ナイチンゲール氏は「ロサンゼルス・エンゼルスのペリー・ミナシアンGMはショウヘイ・オオタニをキープし、ワイルドカード・レースに残ることを望んでトレード期限に追加したことは絶対に正しい判断だった。もし(ポストシーズン進出が)ダメでも少なくともオオタニと契約するチャンスを生かしながら、挑戦した。オオタニを(来季以降も)獲得する気がなければ、移籍させていただろう」との見解を示し、エンゼルスの編成トップが下した判断を全面的に擁護している。

 だが米老舗スポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」が運営するスポーツメディア「FanNation」のジェフリー・ヒンクル記者は異なる見解だ。この日配信した記事の中で同記者はナイチンゲール氏の見解を引用し「しかしフリーエージェントが巡ってきた時、エンゼルスはショウヘイ・オオタニを欲しがるMLBの他の全チームを競り落とせるだろうか? 率直に言って答えはノーだ」と断言。その上で「エンゼルスはショウヘイ・オオタニを引き留めることで彼を中心としたチーム作りを望んでいることを示し、願わくばLAに引き留めたいと考えている。もし彼がエンゼルスと再契約すると決めたなら、ショウヘイは来年現実的に(8月1日のトレード)期限前と全く同じチームにいることになる。エンゼルスがプレーオフに進出しなければ、その魅力は彼に伝わらない」とも補足している。

 仮にエンゼルスが大谷をトレードに出せば、その交換要員として相手球団から複数の若手有望株を手に入れることも可能だった。現状でエンゼルスにはトップ100プロスペクトに名を連ねる若手有望株がローガン・オハッピー捕手(23)の1人しかおらず、同球団のファームシステムは「MLB全30球団で最低ランク」ともっぱらだ。こうした背景を基に同メディアは「エンゼルスは、ショウヘイ・オオタニをおそらく史上最も高価なレンタルにし、その過程でファームシステムを再構築するチャンスがあった。成功するチーム作りの鍵は今後何年もマイナーリーグで若い才能を準備しておくことでもあり、エンゼルスは本当にそのチャンスを逃してしまった」と厳しく指摘。最後に「オオタニのトレードに動かなかったことは、この先何年もエンゼルスを苦しめることになるのだろうか?」と問題提起しながら記事を締めくくっている。