日本が誇る「世界一の女子プロレスラー」誕生だ! 米WWE真夏の祭典「サマースラム」(5日=日本時間6日、ミシガン州デトロイト)で、「マネー・イン・ザ・バンク(MITB)」覇者のイヨ・スカイ(紫雷イオ)が新WWE女子王者に輝いた。「女子プロレス大賞」3年連続受賞の実績を引っさげ、スターダム退団後の2018年6月にWWEに移籍。苦しみながらも5年でアメリカンドリームを実現させた〝逸女〟が取材に応じ、心境を激白――。

 ――このタイミングでキャッシュイン(MITB覇者として挑戦権行使)した

 イヨ チャンピオンが一番弱っているときが狙い目なわけじゃないですか。3WAYでアスカさん、シャーロット、ビアンカの誰が勝つかわからない状況で脚をケガしたビアンカが逆転でチャンピオンになった。見る限りかなりボロボロだったんで、今しかないなって。3人がかなり強くてつぶし合ってくれたおかげで、千載一遇のチャンスがめぐってきたという感じでした。

 ――大歓声の中でリングインした

 イヨ まず、6万人近くを会場に集めるのが「ザ・アメリカ」って感じですよね。しかも、デトロイトという地で「Born to Be Wild(邦題・ワイルドでいこう!)」というザ・アメリカっていう感じの曲が大音量でスタジアムで流れていて、「まさにこれがアメリカンドリームなんだな」って思いながらショーを見守っていたとこでした。ブリーフケースを持って全力疾走したときの歓声と盛り上がり方は、とてつもなかった。自分がバイクになったくらいに爆走しましたよ。ベイリーがついてこられなかったですから(笑い)。

 ――キャッシュインからベルト奪取につなげた

 イヨ「マネー・イン・ザ・バンク」のブリーフケースを手に入れること自体が信じられない大きなチャンスだったので、タイミングも結果もものにできて、本当に良かったなと思います。正直、本当に夢みたいなことすぎて…。まだ自分がチャンピオンになったという実感が湧かないくらいの気持ちです。

ベルトを誇示するイヨ・スカイ(IYO SKY提供)
ベルトを誇示するイヨ・スカイ(IYO SKY提供)

 ――いろいろな思いが込み上げた

 イヨ アメリカに来てしんどかったのは本当なんです。華やかな部分しか見せないし、私も見せないけど。世界の壁って信じられないくらい高すぎて。自分の夢だから意気揚々とアメリカで世界一目指しますって飛び立ったものの、リングに立つ以前のハードルが高すぎて。日常生活、言語もそうだし、文化もそうだし、生きているだけで毎日が大変というところからのスタートだった。私もアスカさんも中邑(真輔)さんも、異国で異文化の人間なわけじゃないですか。その中で信用と実績を少しずつ積み重ねて今日、やっとかなったということで感慨深いです。

 ――何が支えに

 イヨ 東スポさんから賞(2015年からプロレス大賞・女子プロレス大賞を3年連続受賞)をいただいた経験というか。日本に帰りたくなったとき、日本で私を認めてくれて私を「日本一」と言ってくれた方がいるから、「女子プロ大賞なのに帰るの?」「お前、日本一なんだろ?」って自問自答しました。日本一だったら、世界に出てもあきらめちゃいけないなって踏ん張りがきいたんですよ。日本一という賞をいただかないままアメリカに来ていたら、多分心が折れていたと思うんですよ。だから感謝してます。

 ――王者になり、やるべきことが増えた

 イヨ ほんと、そうですよね。日本での経験上わかっているのですが、チャンピオンになった瞬間以上になった後が大変なので。ダテに日本一は経験してないですよ。世界一を取ったからと油断してられないとわかっています。日本の皆さんは、もしかしたら日本のメディアへの発信が少ないのでピンとこない方がいるかもしれないけど、頑張って世界で認められている人間が同じ国の出身でいるよとわかってほしいですね。