土俵際でかつての反発力を見せられなかった。3位ソフトバンクは2日の西武戦(ベルーナ)に0―2と完敗。相手先発・与座の緩急を使った投球に翻ろうされ、わずか2安打で今季初の2戦連続零封負け。5回まで完全投球を許し、得点圏に一度も走者を進めることなく今季最短2時間8分で敗れ、ソフトバンクとなった2005年以降では最速で自力優勝の可能性が消滅した。

 今季92試合目、初めて4番に近藤を配すなど打線のテコ入れを敢行したが実らなかった。6回は先頭・リチャードが痛烈な左前打で与座のパーフェクト投球にピリオドを打つも続く周東は初球を積極的に狙って二ゴロ併殺打。二死走者なしから甲斐が中前打とツキにも見放された。藤本監督は「いいコースに投げられた。でも、なんとかというところ。ヒット2本だったら何もできない」と完敗を認め、自らに言い聞かせるように「切り替えて頑張りましょう」と前を向くしかなかった。

 この日は試合前に珍しい光景があった。テレビ解説で訪れた前監督の工藤公康氏(60)が練習中に藤本監督や主力選手に声をかけ、持ち前の明るさを前面に出して激励。ソフトバンク監督時代、負けたら終わりの局面で驚異的な勝負強さを発揮して逆境をはねのけてきた逸話は今も語り草だ。結果次第で自力V消滅の可能性があることが分かっていただけに、チーム内には〝パワー注入〟を期待する声があった。

 だが、徳俵に足がかかってから強かったチームの姿は、もうない。敗戦から約1時間半後、首位オリックスが楽天にサヨナラ勝ち。ゲーム差は今季最大の9に広がり、厳しい現実が突きつけられた。