キングの温かいまなざしが活力となっている。日本ハムの守護神・田中正義投手(29)が、プロ7年目で初のオールスター出場を果たした。バースデー登板となった19日の第1戦(バンテリン)に7回からマウンドに上がり、自慢の真っすぐで力勝負を挑んだ。宮崎(DeNA)に被弾して1回1失点ながら、家族も見守る前で全力投球を披露した。
昨オフ、ソフトバンクにFA移籍した近藤の「人的補償」で日本ハムに加入。ドラフト5球団競合の末に入団したソフトバンクではたび重なる故障に泣き、潜在能力を発揮できなかった。紆余曲折を経て、新天地ではプロ初勝利をつかみ、クローザーに君臨。31試合に登板して防御率2・40、14セーブをマークしてチームを支えている。
苦闘の連続だったソフトバンク時代、手を差しのべてくれたレジェンドに応える活躍を続けている。4月26日にプロ初セーブを挙げた翌日だった。目に飛び込んできたメッセージに田中正の胸は熱くなった。「サファテさんのツイッターを見て、素直にうれしかったです」。NPB通算234セーブを挙げ「キング・オブ・クローザー」の異名を取ったデニス・サファテ氏はこうつぶやいていた。
「正義のことをとても誇りに思っている。彼は常に一生懸命だった」
サファテ氏は2021年に現役引退。右股関節を痛めて現役晩年は長いリハビリに耐えた。故障の連続だった田中正とは苦しい時間をともにした仲間で、プライベートで食事に誘うなど後輩を励まし続けた。「技術とかではなくて〝目に見えない部分〟をサファテさんは見てくれていた。そういうところを見てくれている人がいるのなら、頑張らないといけないと思ったんです」(田中正)。7年目の開花は、サファテ氏も認めたハードワークの賜物だった。
母国に帰還後も成功を信じ、そっと見守り続けてくれるキングの存在は励みになっている。「今まで心が何回折れたか分かりませんが、あきらめずにハードワークを続けてきて、こうやってレジェンドに気にかけてもらってすごくうれしいですし、これからも自分の可能性への挑戦を続けていこうと思います」。球宴出場、苦労人にとっては通過点だ。












