世界女王の座を奪還できるか。サッカー女子のオーストラリア・ニュージーランドW杯(20日開幕)に臨むなでしこジャパンについて、日本サッカー協会の田嶋幸三会長(65)が本紙インタビューに応じた。新エース候補には、MF長谷川唯(26=マンチェスター・シティー)、ラッキーガールにMF浜野まいか(19=ハンマルビー)を指名。さらに東京タワーライトアップ構想にも言及するなど、大きな期待を語った。

 ――世界一が目標だ

 田嶋会長(以下、田嶋)東京五輪はベスト8で高倉(麻子)監督から池田(太)監督に代わった。選手も世代交代の時期で、池田監督が2018年のU―20W杯で優勝した選手や22年大会に準優勝したメンバーが入ってきた。当時から個のレベルで評価される選手がいたし、伸び盛りの選手たちの勢いもあるからすごく期待している。

 ――協会のノルマはベスト8か

 田嶋 いやいや。池田監督が「優勝を目指す」と言っているのに協会が「ベスト8」とハードルを下げるのもおかしい。選手たちも優勝できると信じている。その目標を達成できるようにサポートしていく。全日空さんによるチャーター機移動や専属シェフとして男子の日本代表をサポートしていた西(芳照)さんも帯同するので。

 ――報酬面も

 田嶋 国際サッカー連盟からのプレミア(出場給として1人約420万円、優勝すれば1人約3800万円)もあるので、協会ボーナスを合計すると、原資となる大会賞金との比率で言えば男子代表と遜色がない。チャーター機や専属シェフにしても以前とは待遇も違ってきているし、女子の地位を上げていくことに取り組んでいる。

 ――チームの現状をどう見ているか

 田嶋 さっきも言ったけど、世代交代の時期で若手が入ってきた。WEリーグでしっかり戦う選手、海外でプレーする選手もいる。協会のアカデミー出身者もたくましくなってW杯メンバーにたくさん選ばれている。それに欧州で女子のプロ化が急速に進み、海外でプレーする選手が増えたのは自然なことだし、成長している。

 ――新エースとして期待する選手は

 田嶋 海外でレベルアップした長谷川と長野(風花=24、リバプール)だね。クラブの試合を見ても中心として戦っているので個人的に評価しているし、挑戦してくれるのはうれしい。W杯で活躍すれば海外のビッグクラブでプレーするチャンス。どんどん世界に飛び出していってほしい。

 ――ラッキーガールが必要ではないか

 田嶋 優勝した11年W杯で澤(穂希)の存在が大きかったけど(準々決勝)ドイツ戦では途中出場の丸山(桂里奈)が決勝ゴール、(準決勝)スウェーデン戦で大会初先発の川澄(奈穂美)が2ゴールか。そんな選手が出てきてほしい。浜野、藤野(あおば=19、日テレ東京V)、石川(璃音=20、三菱重工浦和)に期待したい。

 ――若手ばかりだ

 田嶋 ググッて伸びてきているし(運をつかむ)チャンスがある。この世代は1試合、1プレーをきっかけに大きく成長することがある。それでチームの力になってくれれば。それと米国に当たらないように(勝ち負けを)するという記事を読んだけど、想定通りになるかわからない。そんなことを考えずにやってほしい。

 ――FW三浦知良(56=オリベイレンセ)が優勝したらイレブンに「バラを贈る」と公約した

 田嶋 粋でいいんじゃないかな。かっこいいよね。選手たちもカズからのプレゼントはうれしいんじゃないか。(元日本代表主将のDF吉田)麻也(34)もなでしこの練習に行って激励してくれて。気持ちはみんなに伝わっている。そういう粋な選手がたくさん出てくるとうれしい。

 ――過去のW杯では勝ち進むと、東京タワーが青く点灯した

 田嶋 11年ドイツW杯決勝前、東京タワーが青色にライトアップされたときは専務理事で日本にいたから、お願いしに行ったのを覚えている。昨年のカタールW杯も東京タワーとか全国のタワー(さっぽろテレビ塔、中部電力MIRAI TOWER、京都タワー、福岡タワー)が青にライトアップしてくれた。そこは勝ち進んで、盛り上がっていけば自然にそうなるでしょう。