【グラゼニ球論・金村暁】阪神は27日の中日戦(甲子園)に11―3で圧勝し、連敗脱出&首位再奪取となりました。ひと安心することができたのが6回以降、無失点投球の救援陣です。5回終了時は8―3。3回に5点リードから、一時は2点差にまで詰め寄られた経緯を考えても「どう転ぶか分からない」試合を見事に引き締めてくれました。

 実は試合前まで心配していた部分でもありました。5月までほぼ1点台だった救援防御率は、6月は4点台。もちろん、抑えの湯浅の不振の影響もありますが、それ以外のリリーフ陣も少しずつ、登板を積み重ねてきた疲労が今月は、投球内容と結果にも見え隠れするようになってきていたためです。

 そういった意味で、この日の島本―石井―加治屋―K・ケラーの4投手には安心できるものがありました。それが何かと言えば、しっかりと打者と勝負できていること。4人が与えた四死球は1。中日救援陣が5人で8つのソレを与えたのと対照的な部分です。

 これはメンタル面の要因が多くを占めます。シーズンも70試合を迎える中盤戦。ここまでの15~30試合と、各投手が登板を積み重ねてきた過程においては、中には打たれた、思い通りの結果を手にできなかった試合もあるかと思います。

 そんな負の記憶が個々の脳裏に刻まれている中、今は、再び似た場面で結果を残すことが求められる時期。〝怖さ〟を知った上でもなお、自信を持って登板に臨めているか。すなわちそれは自分の球を信じ、ストライク先行、ストライクゾーンの中で打者と勝負できているかに、最も表れやすいものでもあるからです。

 そういった面で、四球や安打で先頭打者の出塁を許した加治屋やK・ケラーも結果、後続の打者を併殺に斬って取った投球が示す通り、いかなる状況でも「自分に疑い」を持つことなく、常に腕が振れていました。無失点という結果だけでなく、阪神のリリーフ陣は全員が打者3人で登板を終えたのも、大勝劇の隠れた収穫になりました。

 今後、シーズンが佳境となるにつれ〝場面〟の厳しさはさらに増すはずです。一方で、そういった場面を任されてこそ〝ナンボ〟でもあるのが、中継ぎの世界。岡田監督は、球宴までの残り17試合で再度、中継ぎ陣における「勝ちパターン」の再構築を模索しているように感じます。日々のケアを怠ることなく、常に万全のコンディションで臨むことに集中し、指揮官の期待に応える奮闘を期待しています。(本紙評論家)