巨人が23日の広島戦(マツダ)に5―3で競り勝ち、リーグ戦の再開初戦を白星で飾った。ただ、切り込み隊長役の坂本勇人内野手(34)が右足を負傷して途中交代するアクシデントが発生。攻守の要を失いかねない緊急事態の中、全権監督でもある原辰徳監督(64)の「聞く耳」が〝最低最悪のシナリオ〟を回避させていたという。

 4月に3連敗を喫した敵地で巨人が意地を見せた。4番・岡本和が18号ソロを含む2打点を挙げれば、投げては今季初先発・井上から4人の継投でコイ打線を封じた。

 白星リスタートにも原監督の表情は厳しかった。初回、「1番・遊撃」で出場した坂本が二塁内野安打で一塁を駆け抜けたところで、右太もも裏を負傷。阿部ヘッドが慌てて駆けつけ、すぐに代走・門脇が送られた。

 指揮官は「あまりいい状態ではないでしょう。ケガとかに非常にがまん強い人が、あそこまで(痛いように)われわれには見えたというかね。そういう意味では簡単ではないとは思いますね」と心配を隠さず。24日に検査を行う予定で、代役候補として北村が広島入りする。

 交流戦を11勝7敗で終えた原動力の1つが、後半戦の8試合で「1番・坂本」「2番・梶谷」と上位打線を固めたこと。だが、交流戦打率3割3分3厘の梶谷は21日に登録を抹消されており、坂本の状態次第で「両輪」が欠けることになる。

 チームにとって「最悪のケース」は2人同時の長期離脱だが、実は梶谷に関してはコーチ陣の進言を取り入れた「予防処置」だったという。

 チーム関係者は「梶谷は脇腹の打撲により、練習日に別メニューだったそうです。そこで阿部ヘッドと大久保打撃チーフコーチが相談して、原監督に梶谷の抹消を進言したと聞いています。ベストの状態ではない選手を使えば控え組に示しがつきませんし、また、梶谷にとってもここで無理をさせて、大ケガにつながったら長期離脱になりかねないですから」と説明した。

 もちろん指揮官からすれば、ようやく形になった上位打線を自ら崩すつもりはなかったが「梶谷は(練習日が)2日間あって練習は何もしてないでしょ。何もしてない中でコーチサイドとしては推薦できない、それでスタメンで出るのではと(提案があった)。それは正しい」(原監督)と納得したという。

 結果的にこの決断によって万が一、坂本が長期離脱となった場合でも、梶谷は最短10日間で復帰する可能性が残った。指揮官の「聞く耳」により上位打線2人の同時長期離脱だけは何とか避けられたようだ。