阪神が開幕月の3・4月を13勝10敗1分け。貯金3で終えた。岡田彰布監督(65)は「探り探りやったしな…まだ貯金があるってのは、まだ、ええほうちゃう?」と一定の手応えを口にした。

 リーグ1位の投手陣のチーム防御率2・58に、4月中旬まで、スタメン組の5番以下が相次いで不振に陥っていた打線も、確実に復調傾向。中でも5番・佐藤輝明内野手(24)は26日の巨人戦で今季1号を放って以降、29日には2発4打点と調子も上向き。打率1割台と低調な日々が続いたが、岡田監督以下、首脳陣の我慢強い起用が、ようやく実りつつある。

 今季1号が飛び出すまで、打点はわずか2。それでも、代打などの途中出場が2試合、6番が1試合。それ以外は打順はすべて5番だった。不振の真っただ中にあった4月中旬、今季から就任した今岡真訪打撃コーチ(49)は、この起用の意図をこう打ち明けている。

「開幕からクリーンアップを打つノイジー、大山、佐藤輝。この3人とそれ以外が『打つ・打たない』というのはまったく意味が違います。代わりがいる選手といない選手という意味で。ちょっと大げさですが、それぐらいの責任がある」

 こう切り出した今岡コーチは、調子が上がらなくとも、背番号8を「不動の5番」に据えた意図を自らの体験をもとにこう説いた。

「自分も優勝した2005年に5番という中軸の打順に入り、4番を打つ金本さんからいろんなことを教わった。もちろん、数字が残るにこしたことはない。でも、10打席で7回は失敗する。だから三振しようが凡打しようが結果だけを見るのではなく、打席で『1球、ボールを見極めたな』とか『凡退でも、1個走者を進めた』とか。そういうとこを見ています」と序盤戦の状態を分析。

 同コーチも当時、5番として打率2割7分9厘、147打点でリーグVに貢献。圧倒的に高い打率を残さなくとも、内容のある打席が増えれば、おのずと貢献度も増すという考えだ。

「今の彼にも、何とかしようという意識が感じられるので。『打てません。だから、どうでもいい』っていうふうには見えてない。自分の成績だけ考えれば『いってまえ』ってなる球を我慢できている。だから我々も我慢するところは、我慢する。いずれ打つと。その理由は日々の練習から見ている僕には、いくつか見えている」

 何安打、何発、何打点したか以上に、今岡コーチが注視しているのは、どれだけチームの勝利に結びつく打席を重ねているか。4月は打率2割1分5厘、3本塁打、8打点で終わった虎の至宝。5月は是が非でも、本領発揮といきたいところだ。