エンゼルス・大谷翔平投手(28)の「速さ」が注目されている。26日(日本時間27日)の本拠地アスレチックス戦では6回に相手2番手で中継ぎに配置転換された藤浪から左前適時打、さらに8回にも3番手スミスから6号2ランを放つなど5打数2安打3打点。11―3と大勝したチームに大きく貢献した。

 この日、藤浪から放った左前適時打の打球初速は103マイル(約165・7キロ)、スミスを相手に叩き込んだ中越えの2ランは103・9マイル(約167・2キロ)だった。こうした大谷の打球速度も引き合いに出しつつ、MLB公式サイトは投手・大谷が「スピードアップ」と「スピードダウン」を同時に図りながら今季から導入されたピッチクロックにうまく対応していることを称賛している。 

 同サイトでアナリストを務めるマイク・ペトリエロ記者は同日に掲載した記事で「彼の速球は明らかに速い。平均97マイル(約150キロ)だ。バットも速い。過去3シーズン、115マイル(約185キロ)以上のボールをより多く打った打者は3人だけだ。足も速い。昨シーズン、ホームからファーストまでのタイムが4・09秒より速い選手は、レギュラー選手にはいなかった」とつづった。

 そして「『速い』という意味においては別の意味にも含まれている」とし、ピッチクロックによって「オオタニのように投球ペースを上げた先発投手はほとんどいない」とも説明。昨季の大谷が満塁の場面で21・7秒を費やしていたものの今季は15・3秒で6・4秒低下させ「スピードアップ」したことをデータとして紹介している。

 同記事は「これは印象的な変化であり、同業者の中でも際立っている」とも指摘。それによれば昨年と今年で100球以上の無死満塁を経験した投手全員を対象とすると1位は8秒短縮のマイケル・コペック(ホワイトソックス)で昨季の21・1秒から13・1秒、2位は7・2秒短縮のタナー・ホウク(レッドソックス)で昨季の20・3秒から13・1秒となっており、大谷は上位2人に次ぐ3位にランクインしている。

 そして同記事は「彼はより速く働く一方で、より遅くも働いている」と続け、フォーシームなどの速球に関し「これまで以上に投げなくなり、キャリア最低の24%にまで低下している」とも示した。対照的に85マイル(約136・7キロ)以下の球種を投げる割合は「2年前の21%から2倍以上の49%になった」としながらも、昨季から本格的に投球している魔球「スイーパー」の平均球速については「85・3マイルから83・5マイル(約137・2キロから約134・3キロ)へとわずかに球速が落ちている」と述べている。

 ペトリエロ記者は「速球を見る機会が減り、スイーパーを投げる速度が遅くなったという組み合わせで、85マイル以下の球を投げる割合が1年前よりかなり増えているという事実がある」と記し、最後はピッチクロックなどの状況の変化にしっかりとアジャスト(順応)する大谷について「スピードダウンしながらスピードアップしている。それは素晴らしいことだ」との言葉で締めくくっている。