西武が16日の日本ハム戦(エスコン)に6―2と勝利し、このカード勝ち越し。対戦ひと回りを終え楽天、ロッテ、日本ハムの3カードに勝ち越し8勝6敗の2位につけている。

 昨オフ、森友哉捕手(27)がオリックスへFA移籍。WBCで右手小指を骨折した主将・源田壮亮内野手(30)が開幕アウト、主砲・山川穂高内野手(31)がふくらはぎ痛で離脱する中、チームはより結束力を強め、戦前の下馬評の低さを覆し続けている。

 そのベースにはもちろん、一皮むけた高橋光成(26=2勝、防御率0・39、23奪三振)と今井達也(24=2勝、防御率0・00、19奪三振)の両甲子園V腕が、高いレベルで安定感を見せ始めたこと。

 そして、その2人を圧倒的なポテンシャルで突き上げる平良海馬(23=1勝、防御率2・08、17奪三振)との化学反応がある。この新3本柱の相乗効果が松本、隅田、エンスら他の先発陣にも好影響をもたらし「役割の徹底」がブルペンや野手陣の仕事も明確化し、チーム全体の好循環を生んでいる。

 この3枚が健康ならばまず大型連敗はない。その大きな安心感がベースとなって、長打を重ねて大量得点は見込めない自覚のある打線は凡打でも進塁打を狙い、相手のミスにつけ込んだソツのない野球で確実に競った展開をものにしてきている。

 走攻守の全てで「走魂」を求める松井稼頭央監督(47)はコーチ陣と密に確認作業はしているものの、采配に関しては驚くほど何も動かない。いや、選手やコーチ陣を信頼しているだけかもしれない。

 掲げている今季スローガン「走魂」に関しても「昨秋キャンプからずっと選手に伝えてきましたし、選手たちも本当に意識してやってきてくれている。シーズンに入って特別何かをするわけではない。今までやってきたことをどれだけ積み重ねていけるか」と一貫している。

 動かざること山のごとし。稼頭央野球は監督が選手を動かすよりも、信じた選手たちが何を表現してくれるかに重きを置いた〝フリーハンドな野球〟なのかもしれない。