再び上昇気流に乗っていきそうだ。ソフトバンクが9日の西武戦(鹿児島)に3―1で快勝。連敗を止めて貯金を4に戻した。

 ヒーローは2勝目を挙げた先発の藤井皓哉(26)だ。6回途中までを2安打無失点で8三振を奪った。「慣れない球場でいつもより神経を使って投げて球数も要したが、その中でも粘り強く投げられたと思う。次回はイニングの途中で代わるのではなく、投げ切れるようにやっていきたい」と登板を振り返った。

 2020年オフに広島を戦力外となり、独立リーグ・高知を経て育成選手として入団した苦労人だ。昨季はセットアッパーとして55試合に投げて防御率1・12と大ブレークした。今季は先発に転向し、これで開幕から12回2/3を無失点。わずか4安打、17奪三振と圧巻の投球を続けている。

 かつてはメンタル面が課題とされており、いまだにその点が語られることもある。ただ、昨季からの堂々としたマウンド姿にそのような気配は皆無だ。むしろ気持ちの強さすら感じさせている。何がきっかけだったのか。意識し過ぎていた〝心技体〟からの転換が大きかったという。

 藤井は「心技体の心の部分を言われていて、自分でも心の強さを身につけようと取り組んだがうまくいかなくなって。そこを変えたことが一つあると思います」と話す。思い起こしたのがテレビで見て頭の片隅に残っていたという巨人・菅野が口にしていた「体心技」や、心は体と技が身につけばついてくるという「体技心」の考え方。独立リーグの環境も手伝って本来の自分を取り戻した。

 千賀滉大がメッツに移籍してエース不在となったシーズン。藤本監督がポスト・千賀候補として期待を込める藤井が頼もしい投球を見せている。