全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・永田裕志(54)が、全日マットへの〝劇薬〟を提示した。

 王者は「チャンピオン・カーニバル(CC)」(4月8日、後楽園ホールで開幕)には出場せず、CC覇者とV2戦を行う意向を宣言。その上で春の祭典の行方を占う。

「永田を倒す強いヤツが出てくれば全日本ファンの方は、うれしいんじゃないですか? 俺がベルトを取ったときに一番憎たらしそうに見てきたのは芦野(祥太郎)で、彼の視線は気になる。ただやっぱりトータルで見れば宮原(健斗)になるのかな。俺的にはいまさら諏訪魔でも面白くないし、だったら他の人がいいな」と、優勝候補に前王者の名前を挙げた。

 しかし最も期待を寄せる存在は、やはり13年ぶりのCC出場を果たす新日本プロレスの盟友・小島聡だ。小島が優勝すれば外敵同士の3冠戦が浮上する。「全日本的には望まれてないカードになるだろうけど、俺的にはそれはそれで第3世代の底力を日本マット界に見せてやるって思いはある。生粋の全日本ファンの皆さんにとっては究極の嫌みなカードだよね」と不敵に笑った。

 現在の全日本は新日本、ノアなど他団体勢の活躍が顕著で多くの主要王座が流出。永田が所属する新日本も、暗黒時代と呼ばれた約20年前には「外敵天国」の状況が生まれた。04年11月には佐々木健介と鈴木みのるによる外敵同士のIWGPヘビー級王座戦が実現するなど、所属選手は悔しさや不安を感じていた。

 ただ、当時を知る永田は「外の状況を感じること、外の選手を呼ぶことで日本マット界のいろいろな強い部分を吸収して生まれ変わろうとしているのは感じますよ。本当の強さをつくり上げようとしているのは見えるよね。〝土下座外交〟だった(約20年前の新日本の)上井体制とは似ているようで方向性がまるで違う」と分析。「だからこそ今の全日本であれば劇薬としては、いいかもしれないよね。へっへへ」と、外敵同士による最高峰王座戦は将来的な王道マットの活性化につながるという見方を示した。

 プロレス史上5人しか成し遂げていない、グランドスラムの達成者同士の王座戦は実現するのか。ミスターはCCに熱い視線を注いでいる。