第5回WBCの決勝が21日(日本時間22日)、米フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで行われ、日本が米国に3―2で競り勝ち、2009年大会以来、14年ぶり3度目の優勝を決めた。ラストを締めくくったのは「3番・DH」でスタメン出場した大谷翔平投手(28=エンゼルス)だ。1点リードの9回にDHを解除して登板。先頭打者に四球を与えながらも併殺で二死を奪い、最後はエンゼルスの僚友マイク・トラウト外野手(31)を空振り三振に仕留めて世界の頂点に立った。本紙評論家の前田幸長氏は「まるで漫画」と驚きつつも、栗山英樹監督(61)による二刀流右腕を胴上げ投手にするための〝逆算の用兵〟に言及した。
まさに大谷の、大谷による、大谷のためのWBCになりました。こんなドラマチックなフィナーレが現実に起こるものなんですね。試合前から大谷の救援登板については「ある」と思っていましたが、エンゼルスのチームメートであるトラウトから空振り三振を奪って世界一を決めるとは…まるで漫画のようです。
終わってみれば全てが栗山監督の描いたシナリオ通りだったようにも思います。チーム編成を進めていく段階から「WBCで世界一になる最後のマウンドは大谷に託す」と決めていたのではないでしょうか。決勝の投手起用を見ていても、先発の今永、2番手の戸郷は打者一巡、3番手以降は1イニングずつと、9回の大谷から逆算して投げさせていたような気がします。
今大会での大谷の二刀流起用や決勝での救援登板は、プロ入り時から携わってきた栗山監督だからこそできたことでしょう。打者で7試合全てに先発出場し、23打数10安打、1本塁打、8打点。投げても3試合で出場全選手の中で最多の9回2/3を投げて2勝1セーブ、防御率1・86と投打でライバルたちを圧倒し、指揮官の期待に応えた大谷もさすがのひと言です。
栗山監督は世界制覇への夢物語を描く一方で、用兵や采配にはシビアな一面も見せました。1次ラウンドで打撃不振だった村上を5番に下げ、準決勝以降では二塁に足も使える山田を起用。「動かずに後悔する」よりも「動いて後悔する」と割り切っていたように思います。
投手にしてもそう。1次ラウンドのうちに調子や状態の良さを見極め、負けたら終わりの準々決勝以降は信頼できる投手だけを起用しました。出番のなかった投手もそうそうたる実力の持ち主ばかりでしたが、長丁場のペナントレースとは違う短期決戦を制するには、これがベストな戦い方。大谷の起用法も含め「勝つ」ことにこだわった結果が、3大会ぶりの優勝につながったのだと思います。












