我々はなぜ勝てないのか…。第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は侍ジャパン・日本代表が米国代表を3―2で下し、14年ぶりの優勝を飾って幕を閉じた。大会MVPには胴上げ投手となった大谷翔平(エンゼルス)が選出。同僚で米国主将のトラウトを三振に斬って大会を締めた劇的すぎる展開に、所属チームのファンからは複雑な声が相次いでいる。

大谷翔平がトラウトから空振り三振を奪った瞬間
大谷翔平がトラウトから空振り三振を奪った瞬間

 併殺で9回二死とし、大谷が迎えた最後の打者はエンゼルスの盟友トラウト。〝キャプテン・アメリカ〟を三振に斬った瞬間、大谷は両手を広げ、歓喜の雄たけびを上げた。「1アウト、2アウトを取れば(最後は)トラウトだなと。先頭を出してしまったんですけど、ゲッツーになって最高の形で迎えられて、最高の結果になって良かった」と穏やかな笑みで振り返った。

 両国が誇るスターの夢対決に、試合中から所属するエンゼルスの公式ツイッターもフル稼働した。日本の優勝が決まった直後には大谷がマウンドで吠えた瞬間の写真で祝福。さらに「チャンピオン」のカタカナを添えた〝大谷だらけ〟の祝福画像を投稿した。

 こうしたエンゼルスのアクションに日本人ファンからは概ね好意的な反応が相次いでいるが、地元エンゼルスファンはモヤモヤしているようだ。決勝進出の両国を率いた大谷とトラウトという超逸材を擁しながら、昨季のチームはアメリカン・リーグ西地区で73勝89敗と7年連続の負け越しとなって3位。悲願のプレーオフ進出はならなかった。

 地元ファンと思われるアカウントからは「この2人がいてなんでウチは…」「これからまた地区で4位を争う戦いが始まるんだ」という嘆きが相次ぎ、「ショウヘイ、トラウト、君たちが願っていた素晴らしい真剣勝負ができておめでとう!」という皮肉ツイートも飛んだ。さらには「エンゼルスのオーナーは球団を手放すべきだ」とのキツい意見も投稿された。

 MLBはまもなく開幕する。大谷は息つく暇なくトラウトとチームに合流し、順調であれば日本時間3月31日のアスレチックス戦に登板予定。歓喜の輪が解ければ、すぐに長く厳しい戦いが始まる。