「WBCの申し子」こと巨人の杉内俊哉三軍投手チーフコーチ(42)が、侍ジャパンにエールを送った。日本最多タイとなる3度の出場経験を誇り、2度の世界一を達成したレジェンド左腕。同大会を知り尽くした男は、自身の忘れられない思い出に加え、今大会の決勝戦でも登板が見込まれる、かつての戦友・ダルビッシュ有投手(36=パドレス)の若かりし日の秘話も明かした。

 日本で誰よりもWBCを知る男だ。杉内コーチは2006年の第1回大会から13年の第3回大会まで連続出場。これは青木宣親、内川聖一と並び日本最多タイとなる出場回数となっている。

 当然、侍OBとしてここまでの代表戦は欠かさずチェック。連日の激闘を振り返りながら「思い出すね、やっぱりね。緊張したなぁ。すべてが楽しかったよ」と照れ笑いを浮かべながら当時を振り返った。

 短期決戦を勝ち進む中では、予期せぬ出来事が起こり得るもの。杉内コーチが驚かされたのは、決勝ラウンドが行われる米国での移動中の出来事だという。「アメリカに行ったら、移動の際は全部白バイが先導してくれるから、信号で止まったりしない。自分たちのバスを優先してくれるから『あぁ、すげぇな、アメリカは…』って。『こんなことまでしてくれるんだ』って(笑い)。総理大臣みたいな扱いだったよ」。超VIP待遇に、米国の壮大さを感じたという。

 丁重な扱いに驚きつつも「侍ジャパン」がスター選手たちによるドリームチームであることに間違いはない。「一番の思い出は、たくさんの経験を持った選手たちといろいろ話せた部分じゃないかな。年齢の上下関係なく、いろいろな練習メニューやフォームの話を聞けるので、そのへんは良かったですね」と魅力を力説。そこで共有される情報の有用性を説いた。

 中でも驚かされたのは、当時22歳だったダルビッシュの知識量だった。「やっぱりサプリメントの知識量は本当にすごかったですね。2009年にはたくさん聞かせてもらった。球宴だけじゃなかなか聞けない話も、WBCで一緒の宿舎に泊まってご飯を食べながらいろいろ聞けるので。『すげぇよく考えてるな』と。体のことはかなり気を遣ってたし、トレーニングに関しても『よう考えてるな』と思いましたよ」。現在でこそサプリメントの第一人者として知られるダルビッシュだが、当時からその見識は広かったようだ。

 そうした得がたい経験が、自身にとっての財産になる。巨人からは戸郷、大勢、岡本、大城らが出場しているが、球団問わず、すべての選手に「頑張ってほしいですよね」。14年ぶりの世界一達成を願っている。