【米マイアミ発】NPBが誇る2枚看板に競演プランだ。3大会ぶりの世界一を目指すWBC日本代表は20日(日本時間21日)の準決勝(ローンデポ・パーク)でメキシコと激突。頂点まで残り2試合を「総動員」で臨む栗山ジャパンが惜しみなく強力投手陣をつぎ込む。負ければ終わりの準決勝は、佐々木朗希投手(21=ロッテ)の先発が有力で、2番手で山本由伸投手(24=オリックス)を投入する案も浮上。絶対に落とせない一戦を総力戦で勝ちにいく。

 侍ジャパンは現地18日、メンバー全員がフロリダ市内にある大学施設のグラウンドで約1時間半の練習を行った。準決勝の相手が強豪・プエルトリコを破るなど1次ラウンドから勢いのあるメキシコに決定。栗山監督は「何人もメジャー組のいい選手がいる。しっかりと分析して、できる限りのことをやっていく」と表情を引き締めた。

 かねて指揮官は「ここまで来たら魂のぶつかり合い」と語り、世界一までの残り2試合は選手を出し惜しみすることなく戦い切る方針だ。この日の練習では、佐々木朗と山本が並んでブルペン入り。当初は佐々木朗が準決勝、山本が決勝でそれぞれ先発する案が有力と見られていたが、準決勝で同時投入するプランも浮上している。負ければ終戦となるだけに、沢村賞右腕もブルペンに待機させ、総動員態勢で必勝を期す。

 この日のブルペンでは佐々木朗が32球、山本が23球。長距離移動の疲れと、日本と13時間ある時差の影響が心配されたが、状態に問題はなさそうだった。昨年12月に決戦の地であるローンデポ・パークを訪れている2人。佐々木朗は「前回のマイアミに来た時よりもダメージを最小限に抑えられているのかなと思います」と体調に自信を示す。山本も「すごく暖かくて体を動かしやすかった。(ブルペンも)いい感覚で投げられた」とコンディション面に不安はなさそうだ。メキシコがプエルトリコを下した前夜の準々決勝は「8回くらいまで見てたんですが、時差ボケが限界で寝てしまいました」と苦笑い。それでも「すごくいい選手が多かった。またじっくり映像を見たり、データを見たりして勉強したい」と、総力戦で臨機応変に出番を待つつもりだ。

 ベースボールの本場ですでに存在を知られる佐々木朗と山本。将来的なメジャー挑戦も視野に入る2人の豪華リレーが実現すれば、世界的にもインパクトを与えそうだ。

 前倒しで山本を起用しても、今大会「最強」の呼び声高い投手陣にはダルビッシュ(パドレス)や今永(DeNA)も控えている。決勝戦にも大役を担える駒は十分に揃う。準決勝以降の球数制限は95球で、戦況などを見極めながらの起用となるだろうが、幅広い選択肢で栗山監督は戦力を生かし切るつもりだ。