【デンジャラスクイーンの真実#13】入団3年目の1987年になり、私と堀田祐美子は同期の中でも注目されていました。マスコミから「第2のクラッシュギャルズ」なんて言われたこともありました。

王座を奪取した北斗(右)と堀田(87年4月)
王座を奪取した北斗(右)と堀田(87年4月)

 勢いがあった私と堀田はWWWA世界タッグ王座への挑戦権をかけたリーグ戦を優勝。4月15日の大田区体育館でレイラニ・カイ&ジュディ・マーチンを破り、ベルトを取ってしまったのです。

 このタイトル戦当日は本当にいろいろなハプニングがありました。お金がないから、2人でおそろいの水着を用意していました。当時は競泳用の水着です。タイトル戦前日も試合があったので、洗濯をして目黒のボロアパートの外にかけて干していました。すると、その水着が揺れているのが見えるんです。2階なのにファンの人が長い棒を使って盗んだんですよ。今じゃ考えられませんが、当時は自宅もファンにバレていましたからね。

 そんなショックなことがあり、私は会場に向かうバスが止まっている集合場所に着き「水着、盗まれちゃったよ」なんて言いながら乗り込もうとすると、堀田が「うー」って、右のほおを押さえながら出てきたのです。「どうしたの?」って堀田の手を開いたら、右のほおにポッカリ穴があいています。しかもドバッて血が出てきて…。

 事情を聞いたら、1つ下の後輩の肩が悪くてよく外れるからと、ゴルフクラブを渡されて「鍛えろ」と指示されていました。言われたように、バスの出発前にドライバーを振って練習していたら、そこに堀田が「何やってるの?」と近づいて…。「パコン」とドライバーが命中したとのことでした。

 すぐに「痛っ」って激痛が走り、後輩は「すいません」「すいません」って平謝り。「大丈夫、大丈夫」と言いながらも、堀田は痛みでボロボロ泣いています。

 そんな状況だから放っておくわけにはいきません。みんなは会場に行かなきゃいけない時間になりましたが、私が病院に連れていって縫ってもらいました。堀田って、今でも笑うとエクボみたいのがあるのですが、あれはエクボじゃないんです。実はドライバーであいた穴なんです(笑い)。

 お医者さんは「よく歯が折れなかったね」なんて驚いていましたが、その日の夜はタイトルマッチ。試合中も堀田は「ズキズキする」って言いながらパニックになっていましたが、マグレで勝ってしまいました。

 試合後、控室に帰ったら怖かった。先輩たちからの冷たい視線が待っていました。まだベルトを巻くにはふさわしくなかったですからね。

 ここでチャンピオンになったことで、私にはいろいろな“災難”が振りかかることになるんですけど…。