元女子プロレスラーで、人気タレントとして活躍する北斗晶(55)が、激動の半生を振り返る新連載「デンジャラスクイーンの真実」がスタート! 全日本女子プロレス、メキシコ、米国、そしてガイア・ジャパンマットで残した数々の伝説が、20年以上の時を経てよみがえる。第1回はコロナ禍で音頭を取った女子プロレス組織「アッセンブル」、そしてジュリア vs 中野たむの髪切りマッチが行われた2021年3月3日のスターダム日本武道館大会で感じた、現在のプロレス界を語る。

【デンジャラスクイーンの真実#1】

 ――コロナ禍でアッセンブルの発起人やスターダムの解説を務めた

 北斗(団体と選手の)数がまた増えたなって思いました。試合の仕方とかについては、私は何も言いません。なぜかと言いますと、私がやっている時は誇りを持って自分のプロレスをしていたので、誰にも何も言ってほしくなかったからです。今は今のニーズに合ってるプロレスをやっていると思います。

 ――感じたことは

 北斗 一つだけ言えるのは、みんな着ているものがド派手で、同じ過ぎて誰が誰か覚えられませんでした(笑い)。私はコスチュームにこだわってきたから余計にそう思ったのかもしれません。

 ――現役時は派手なコスチュームだった。時代を先取りしていたのでは

 北斗 そう言われるとそうかもしれませんね。新人が競泳用水着を着る中で、確かに私は一人だけド派手なものを着ていました。凛ちゃん(※)が1月にマーベラスをやめた後、宣材写真が必要になり「1回しか着てないから」って私の古いコスチュームを引っ張り出したんです。20年以上を経て凛ちゃんが着ても、全くおかしくなかったんですよ。

時代を先取りしていた北斗のコスチューム
時代を先取りしていた北斗のコスチューム

 ――なぜ現役時代は派手なコスチュームを

 北斗 細かったからです。競泳用水着なんて着たらガリガリで(笑い)。ユラユラ揺れたりヒラヒラしたものがあると、ちょっと飛んだ時も華やかに見えますから。私に続いてみんなが派手になっていく中で、長谷川咲恵がアマレスチックなのを着たことがありました。逆に、それが新鮮に見えたんです。だからおばちゃんは、そういう方が覚えてもらえるよって思うよって(笑い)。もし、私が誰かをプロデュースするなら、ものすごくシンプルにいけと言いますね。

 ――ジュリア選手がノーザンライトボムを使っている。許可を出したのか

 北斗 許可なんて必要ないですよ(笑い)。自由に使えばいいんじゃないですかね。ものになるか、ならないかは自分次第ですし。武道館で見たときに反則やいろいろなことやっていたので、私が「すごいな。デンジャラスクイーンだ」とポロっと言ったからつながってくるのでしょうけど。ジュリア選手がものにできればいいし、もしかしたら「私が本当の継承者だ」って凛ちゃんが使うかもしれない。「真の継承者」っていうのが中嶋勝彦かもしれません。ノーザンライト論争も面白いんじゃない?って思います。

神取忍(左)との伝説の一戦(1993年4月2日)
神取忍(左)との伝説の一戦(1993年4月2日)

 ――神取忍との試合(1993年4月2日横浜、同12月6日両国)が今でも語り継がれている

 北斗 体が痛いと感じる時、夢をかなえた代償だと思っています。記憶に残ってくれているのは本当にありがたいですね。

 ――今後、マット界とかかわることは

 北斗 私にはやりたいことがたくさんあります。それに、私の人生でプロレスはもう終わったんですよ。よく恩返しって言いますけど、私の恩返しは神取との試合でつくったものを崩さないこと。何かをやるのが恩返しではなく、語らないことも恩返しだと思っています。そして、プロレスをやめた後にどうしようってなった時、プロレスの解説しかないとか、そういう人生は歩んでほしくないといいますか。次の新たな道に行く成功例をつくり、それこそパイオニアになってあげたいと思いますね。

 ――最後に

 北斗 長年プロレスを離れていましたが、アッセンブルやった時に現代は素晴らしい選手もいっぱいいるし、華やかだし、いろいろな選手が育っている中で魅力があるなと感じました。あと、一つだけ答えが出たことがあります。私はプロレスをやるのが大好きでした。でも、見るのは好きじゃないってことですね(笑い)。

(インタビュー・小坂健一郎)

 ※ 昨年5月に佐々木健介と北斗夫妻の長男・佐々木健之介さんと結婚した女子プロレスラー

 ☆ほくと・あきら 本名佐々木久子。1967年7月13日生まれ。埼玉・北葛飾郡出身。85年に全日本女子プロレスに入門し、同年6月12日札幌中島体育センター大会(対岩本久美子)でデビュー。87年に首を骨折するも奇跡のカムバック。95年に新日本プロレスの佐々木健介と結婚。フリーを経て96年にガイア・ジャパンに入団。2002年4月の引退後は「鬼嫁」として健介をサポート。現在はタレントとして活躍する。必殺技はノーザンライトボム。現役時は167センチ、59キロ。