フィギュアスケート男子で五輪2連覇を果たし、プロに転向した羽生結弦(28)は、節目のタイミングでのアイスショーに特別な思いを抱いている。

 12年前の3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災。当時東北高1年だった羽生は、練習拠点のアイスリンク仙台で被災。避難所生活を余儀なくされた経験を持つ。

 かねて東北への思いを胸に活動してきた中で、自身が座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata」を10~12日に地元・宮城で実施。初日(10日)後には「すごく緊張しながら、みなさんの前で滑っています。3月11日という日に、毎年あれから気持ちを込めながら、祈りの気持ちを込めながら、感謝の気持ちも込めながら、悲しい気持ちも込めながら、人知れず滑ってはきていました」と率直に語った。

 この日の公演では〝希望〟を届ける羽生などの出演者に対し、多くの声援が送られた。コロナ禍以前の状況に戻りつつある一方で、羽生は「なんかまだ歓声がある中で出ることに慣れていない。いろんな気持ちが渦巻いてはいます」と苦笑い。それでも〝軸〟はブレていない。

「このショーの企画自体が3・11のことを含めて希望を届けたいという趣旨がある。全ての方々が3・11で傷ついているワケではないかもしれない。ただ、そういった方々にも、人生のちょっとした苦しいところでこの『notte stellata』のプログラム、星みたいなものがちょっとでも希望を届けるものになっていたら」

 ステージを変え、初めて地元・宮城で開催したアイスショー。リンクを照らす希望の光は、明るい未来を連想させるモノだった。