男子で五輪2連覇を果たしたプロフィギュアスケーターの羽生結弦(28)が座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata」が、宮城で10~12日に開催される。11日は東日本大震災から12年を迎える節目。会場の宮城・セキスイハイムスーパーアリーナがある利府町の熊谷大町長(48)が取材に応じ、スポーツが被災地の住民に与える力について語った。羽生をはじめ、震災を経験した超大物アスリートたちの〝東北魂〟も実感しているという。
2011年3月11日。東北地方を襲った大地震は、日常を一変させた。1万5900人が亡くなり、2523人の行方が今もわかっていない。当時は参議院議員として東京にいた熊谷町長は、翌日に車で仙台入り。停電の影響で都市部の交通網はマヒ状態。それでも、自転車で被災地を訪れ、東京へ最新情報を提供し続けた。
あれから12年が経過。今は利府町にも日常が戻ってきた一方で、創造的復興に向けた取り組みを継続している。その一つが〝スポーツ文化〟の発展だ。熊谷町長は「大きな一つの宿題みたいなもので、その流れの中で今回の羽生選手のアイスショーもあるのかな」と語った。
熊谷町長は、スポーツが住民に与えた力を実感したことがある。14年ソチ五輪で羽生選手がアジア男子初の金メダルを獲得し、18年平昌五輪では66年ぶりの2連覇を達成。いずれの大会でも五輪王者は地元に凱旋し、パレードを行った。その際、住民が発した声を覚えているという。「スポーツは元気を届けることができる。(五輪後の)パレードに参加した人は、みんな『ありがとう』と言っていたんですよね。『よかったね』とか『頑張ってるね』とかじゃなくて『ありがとう』と言ったのは、その元気をくれたことに対する感謝の気持ちの表れですよね」
羽生だけではなく、東北からは、人々に力を与えられるスーパースターが誕生している。羽生と同級生で岩手・奥州市出身の大谷翔平投手(エンゼルス)は、WBC日本代表の大黒柱として活躍。岩手・陸前高田市出身の佐々木朗希投手(ロッテ)も同代表で先発ローテーションの一角を務めることが濃厚だ。
熊谷町長は「羽生選手がスポーツでけん引したものは計り知れない。それに続いているのが震災を経験した大谷投手や佐々木投手だと思う」と切り出した上で「10年以上前に参議院議議員だったとき、被災地の卒業式に出席したら、小学生が『復興は私たちが背負っていきます』などとあいさつして巣立っていた。今は本当にその通りになっている」。震災を経験した少年が成長し、復興への強い思いを心に秘めスポーツ界で活躍する姿に目を細めた。
羽生がプロ転向後、地元で行うアイスショーは今回が初めて。熊谷町長は「今までは頑張る姿を見せなければいけないという義務感があったと思うが、肩の荷を下ろして、自由にリラックスして、みなさん一緒に楽しみましょう」とエールを送った。
節目のタイミングで実施されるアイスショー。リンクに輝く一番星として、東北の未来を明るく照らす。












