楽天からトレード移籍で加入した中日・涌井秀章投手(36)がチーム内で異彩を放っている。

 8日の西武とのオープン戦(ベルーナ)で移籍後初先発すると、3回までパーフェクト投球を演じて3三振を奪った。大塚投手コーチは「自分の投球を知っているし、さすがだなと感じた。やっぱり経験がある。若い選手とは違うところが出た」と最敬礼だった。

 だが、本人は至ってクールで「普通だと思います。手応えは別にそんなにないです。古巣西武との対戦だった? 古巣といっても(2013年まで在籍してから)だいぶ離れているので。あんまり状態は良くなかった」と淡々としたもの。

 抜群の結果にも「打たれていても、ある程度の内容というのは自分でつかめているので今は結果どうこうじゃない。うまく調整ができているかがテーマ。結果はシーズンに入ってから。一喜一憂するところではない」と浮かれた様子は一切なかった。

 そんな涌井の存在感はチーム内で増すばかり。「ミスター開幕男」の異名を持ち、これまでプロ野球史上5位タイとなる10度の開幕投手を務め、同3位タイの開幕戦通算6勝をマーク。今季の開幕投手に指名された小笠原に向け「俺は10回やって6回勝った」と〝涌井流エール〟を送った。

 これに涌井は「決してエールではない。ただの自慢です」とうそぶくが、チーム関係者は「小笠原にとって発奮材料になっているのは間違いない。そういう声かけを若い選手にしてもらえるのはすごく励みになる」と指摘する。

 その上で「はっきり言ってこのトレードは大成功だよ。まだシーズンは始まっていないが、この調子なら涌井自身も先発ローテの一角としてそれなりに勝ち星を挙げてくれそうだし、簡単には喜んだり満足しない涌井の姿勢はウチの選手にとっていい効果をもたらしてくれる」と力説する。昨季6年ぶりの最下位に沈んだ中日が涌井の加入でどんな化学変化を起こして逆襲するか注目だ。