対処法はあるのか――。陸上女子のドルーリー朱瑛里(しぇり、津山・鶴山中3年)が3日、代理人弁護士を通じて全国中学生クロスカントリー大会(5日、滋賀・希望が丘文化公園)を欠場すると発表。一部の過熱取材や一般人による無断撮影、SNSへの投稿などに不安を抱いたことを要因に挙げた。代理人を務める作花知志弁護士が取材に応じ、今後の対応とともに、スポーツ界が抱える問題点にも言及した。

 ドルーリーは先月15日の全国都道府県対抗女子駅伝の3区(3キロ)で区間新記録(9分2秒)をマーク。一躍脚光を浴びると、同29日の「晴れの国 岡山」駅伝競走大会では、沿道に多くの観客が訪れた。

 そんな中でも3区(3キロ)で区間新記録(9分40秒)をたたき出したが、全国中学生クロスカントリー大会への出場を断念。ドルーリーは代理人の作花弁護士を通じたコメントで「先日の晴れの国駅伝を経験して、報道の方々への対応や、周りの方々からの撮影や声かけの対処にとても不安を感じましたので、やむを得ず琵琶湖クロカン(全国中学生クロスカントリー大会)には出場しない決断をしました」と説明した。

 全国都道府県対抗女子駅伝はNHKで生中継されたこともあり、知名度が一気にアップ。これまでの環境が一変した。一部雑誌社の過熱取材や一般人の写真、動画投稿などに戸惑った。取材に応じた作花弁護士は「大会での取材やファンへの対応の難しさと、自分が同意もしてないのにSNSに走っている自分の姿がいろんなところで映っていることに対して、非常に苦痛に思われているみたいです」と明かした。

 SNSの普及により、誰もが簡単に情報を発信できる時代へ突入。ネット上には無断掲載されたドルーリーの写真や動画が横行している。同弁護士は「全然事態が変わらない場合は、少しずつこれはもうやめてくださいと個別に送るのかとか、その辺を考えないといけないと思います」と行動に移す可能性も否定しなかった。その一方で「やっぱり限界があることですからね」と吐露。SNSの拡散力はすさまじく、いたちごっこになってしまうからだ。

 では、どのような措置を取っていくべきなのか。「表現の自由と肖像権の問題で、どこまで規制ができるのかとか、勝手に(ドルーリーの写真や動画を)使った人を訴えたら損害賠償責任がでるのかとか、未開拓な部分が多いですよね」とした上で「前からあったのに、女性アスリートの競技の映像や写真については野放し状態ですよね。競技団体としてどうするか、早急に考えた方がいいと思います」と提言した。

 現状では多くの女性アスリートが盗撮に悩まされている。作花弁護士は競技団体の改善を待つだけでなく「私は私なりにいろいろ経験を積みながら、ちょっと制度論的にも考えたいと思います」と意欲を示した。〝金の卵〟の成長を妨げる要因の一つひとつに、メスを入れていく必要がありそうだ。