むしろ大歓迎ということか――。3月開催の第5回WBCに参加する野球日本代表の大谷翔平投手(28=エンゼルス)に対し、韓国代表が強い自信をみなぎらせている。主将の金河成内野手(27=パドレス)を筆頭に、1次ラウンドB組(東京ドーム)で対戦する日本に闘志を燃やし、先発登板する可能性がある二刀流右腕との直接対決を熱望。世界のひのき舞台で大谷を攻略し、一旗上げようともくろんでいるようだ。
WBCに初出場する大谷は、果たしてどのタイミングで投げるのか。侍ジャパンの栗山監督はMLB所属選手のチーム合流時期が定まっていないこともあり、いまだ熟考を重ねている。MLB組には来月17日にスタートする宮崎合宿初日から合流し、壮行試合にも出場してもらいたいところだが、保険の問題などもあり現時点で米国の大会本部側からの回答は得られていないという。23日の実行委員会後にオンラインで取材に応じた侍ジャパンの強化委員長を兼務するNPB・井原事務局長も「まだ(返答が)来ていないです」と苦渋の色をにじませながら、ギリギリまで交渉を続ける姿勢を示した。
それでも投手起用に関するプランは、いくつか浮上している。22日には侍ジャパンの吉井投手コーチ(ロッテ監督)がTBSのラジオ番組に出演した際にWBCでの投手起用案を披露。「栗山監督と話し合って決めなければいけないので、あくまでも個人的な考え」と前置きした上で「(米国での)準決勝以降は、世界が見たいと思う山本由伸、(佐々木)朗希でいいんじゃないか。ただ、米国に行くには準々決勝が大事になってくる。ここをダルビッシュ、大谷に頑張ってもらえれば。強いのは韓国、オーストラリア。1つのヤマになる」などと私案を口にする一幕もあった。
一方、こうした流れを踏まえ、大谷の投手起用プランについては準々決勝(3月16日・東京ドーム)から逆算する形で中5日となる1次ラウンドの韓国戦(同10日)でのWBC先発初登板も有力視され始めている。2015年の第1回プレミア12では韓国相手に開幕戦で6回を2安打無失点、10奪三振、準決勝でも7回を1安打無失点、11奪三振と2試合連続で圧巻の投球を見せつけた。侍ジャパン側としては1次ラウンドで最大のライバルに〝韓国キラー〟の大谷をぶつけ、しっかりと叩いておく選択肢も頭に入っているようだ。
ところが、当の韓国代表に臆する様子はない。今月16日にソウル市内で行われたWBC韓国代表会見に参加した主将の金河成は1次ラウンドで相まみえる〝宿敵〟との戦いを前に「我々は日本に必ず勝つ」と不敵な笑みを浮かべ、きっぱり言い切っている。韓国メディア「イーデイリー」のインタビューでも「戦う前から大谷におびえる必要は全くないと思っている。彼が米国でどれだけすごい選手なのかも知っているが、自分たちと同じ人間なんだ。お互いに言えることだと思うが、国際大会は誰もが100%の能力を発揮できるかどうか分からない。だからこそ面白いし、大きなチャンスも出てくるはず。勝負事は分からないし、WBCでの対戦が逆に楽しみだよ」などと「打倒・大谷」への思いをさらけ出していた。
大谷攻略に手ぐすね引く韓国代表は金河成だけではない。MLB通算61本塁打の崔志万内野手(31=パイレーツ)や韓国系大リーガーとして代表に名を連ねた22年ナ・リーグ二塁手部門ゴールドグラブ賞のトミー・エドマン内野手(27=カージナルス)、そして今季終了後にポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を目指す昨季の韓国プロ野球MVPで、元中日の李鍾範を父に持つ李政厚(24=キウム)も母国メディアに「日本戦では投手・大谷と、ぜひ戦って打ち崩したい」と訴えている。
韓国球界に精通するMLB関係者は「金河成らMLB組や、メジャー挑戦を予定している李政厚はWBCで投手・大谷をKOできれば米球界市場での商品価値が大きく上がることを代理人から吹き込まれ、すっかりその気になっている。WBCでも最大の注目選手となる大谷はMLB組を始めとした韓国代表の主力たちにとって、いわば〝超おいしい相手〟。だから彼らは『出て来い、大谷!』と口々に言い合っている」と解説する。
大谷の韓国戦先発が実現すれば、血眼になる相手打者との〝仁義なき戦い〟が展開されそうだ。











