家飲みを強いられたコロナ禍、失職不安から日ごとに酒量が増えていった。ほぼすべての仕事が飛び、「もう私なんて価値がない」と思い込み、酒に逃げていた。酒に逃げる自分が情けなくて、さらに酒をあおる。幸いにも逆流性食道炎になったことで酒量を減らせたが、あのままいけば私は確実にアルコール依存症になっていたと思う。

 今思えば、私はまさに「家飲みで酒量が増える人」の典型だった。家飲みで酒量が増える人の特徴は大別して2つある。1つは酒量が増えるにつれ、ネガティブになる人。「なんでこんな飲んでしまったんだろう」と罪悪感を持つようになると、さらに危険度が増す。WHO(世界保健機関)が作成したアルコール依存症のセルフチェック「AUDIT」にも、「過去1年間に飲酒後、罪悪感や自責の念にかられたことが、どのくらいの頻度でありましたか?」という質問があることからも、重要度の高いポイントだとわかる。

 そしてもう1つはストレスを抱え込みやすい人。時間管理や、仕事に対する責任感が強い反面、せっかちで怒りっぽく、負けず嫌いな一面を持つ。これは心理学でいう「タイプA」に分類される人。ストレスがかかると、多量飲酒に陥りやすい傾向にある。

 ここまで読んで「自分は大丈夫」と安心した方も多いだろう。かつての私も多分に漏れずそう思っていた。だが人は環境によって変化する。特に生活のベースとなる仕事がおびやかされると、焦燥感や不安から酒に救いを求めてしまうこともある。私自身、元来自制がきくこともあり、「不安を酒でまぎらわせるなんて絶対しない」と思っていた。だが、環境が変わればいとも簡単に酒におぼれるのだと身をもって知った。そう、「絶対」なんてないのだ。

 何だかめずらしくマジメな話になってしまったが、これもまた飲酒寿命を延ばすための妙薬。フリーダムな家飲みこそ、酒量に気をつけよう。