〝嵐〟で絆が深まった。フィギュアスケートの全日本選手権(大阪・東和薬品ラクタブドーム)最終日の25日、世界選手権(来年3月、さいたまスーパーアリーナ)の代表選考会が行われ、アイスダンスはカップル結成3季目で初優勝を飾った村元哉中(29)、高橋大輔(36=ともに関大KFSC)組が代表に内定。2季連続で世界切符を引き寄せた裏には、拠点を置く米国で遭遇した困難があった――。
記者会見に臨んだ〝かなだい〟は2度目の大舞台に向けて「昨季に続き、今季も世界選手権に選んでいただき、本当にうれしい」(村元)、「前回に引き続き世界選手権に出場することができて、本当にうれしく思う」(高橋)と口をそろえて表情を引き締めた。
高橋は8月、サポートを受けるスカイコート株式会社が主催するトークショーに出席。「全日本選手権で優勝することを、まずは一番に目指してやっていきたい」と力強く宣言していた。ところが、シーズン開幕前に練習拠点の米フロリダ州で思わぬ事態に巻き込まれた。9月28日に100人以上の死者を出した大型ハリケーン「イアン」が直撃。コーチやチームメートも被災し、自宅を流された選手もいたという。
当時の様子を知る同社の西田美和社長は「いつも練習で使っているリンクが避難場所になってしまったので、片道2時間近くかけて違う町のリンクに通っていたそうです」と明かす。開幕前の大事な時期にもかかわらず、満足に練習を積めない日々が続いた。
ただ、この困難が〝かなだい〟をさらに強くしたようだ。西田社長は「多くの方が苦しんでいる中で『練習することができるだけありがたいと感じた』と言っていました。そういう気持ちがまた2人を強くして、試練を乗り越えてきたのではないでしょうか。さまざまな経験から、2人の絆もさらに強まったように思いますね」と指摘した。
フィギュアができる喜びを改めて実感した2人は、10月のデニステン・メモリアル・チャレンジで国際スケート連盟(ISU)公認の国際大会初Vを達成。全日本選手権でも初めて頂点に立つなど、一歩ずつ階段を駆け上がっていった。
前回3月の世界選手権では16位に沈んだ。今からリベンジに燃える2人は「前回は納得のいく演技ができていない。今回は日本で開催されるので、納得のいく演技、目標としているトップ10を目指して頑張りたい」(村元)、「前回はパーフェクトな演技をできなかった悔しさがある。その気持ちを挽回したい」(高橋)。日本のファンの目の前で、一回り成長した姿を披露するつもりだ。












