【広瀬真徳 球界こぼれ話】およそ1か月にわたったサッカーW杯が終わった。4年に一度行われるサッカーの祭典はやはり別物。ましてや日本代表が今大会のように予想以上の躍進を見せれば必然的に応援熱は高まる。球界も来春3月には14年ぶりの世界一を目指すWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が控える。侍ジャパンにはサッカー日本代表のような国全体を熱くする戦いを期待したいものだが、その雰囲気づくりに向けての課題も残る。緩和の兆しを見せていない日本国内におけるスポーツ観戦の「厳格ルール」だ。
サッカーW杯や米メジャーリーグを見ても分かるように現在世界のスポーツ観戦における観客の応援スタイルは「マスクなし」が主流。屋外でのスポーツ競技では声を出す応援も公然と認められている。観客にマスク着用を義務付けたり声出しに制限を設けているのは日本を含めごくわずかな国だけ。この現実を鑑みると、そろそろ日本もルール再考の時期に差し掛かっているのではないか。
現時点で日本全土がコロナ第8波を迎え、感染者が増加傾向にあることは理解している。医療現場や医療従事者に負担がかからないよう、感染拡大時には再度制限をかけるなど柔軟な対応を取るのが大前提であることは言うまでもない。ただ、現在の新型コロナは以前と比べ弱毒化が進み、えたいが知れなかった2年前の第1波のころのように過度に恐れる感染症ではないはず。国民のワクチン接種も進み、軽症者向けの国産飲み薬も流通し始めている。これだけ環境が整う中、今なお日本だけが観客に厳格な感染対策を求め続ける必要があるのか。個人的には甚だ疑問が残る。
日本人は協調性があり忠実にルールを守る遵法精神が強い半面、同調圧力に弱い国民性がある。だからこそ感染対策も「徐々に」がベストだろうが、今のところ球界では来季に向けた観客向けの観戦ガイドラインや指針は示されていない。世界から「日本はまだコロナを怖がっているのか」と嘲笑される前に早急に議論を開始すべきだろう。
選手や球団関係者から悪評が漏れていた定期的なPCR検査の廃止は先日決まったものの、ファンや観客に向けた配慮に関しては世界の時流に乗り遅れている日本の野球界。WBCを含めシーズンを盛り上げるためにも早期改善に向け動き出してほしい。












