【取材の裏側 現場ノート】カタールW杯は1次リーグが終了し、決勝トーナメントに進出する16チームが出そろった。E組の森保ジャパンはドイツ、スペインから金星を挙げる快進撃で勝ち点6(2勝1敗)の首位で突破。悲願の8強入りへ同1回戦は前回大会準Vのクロアチアに挑む。

 普段はサッカー以外の競技を担当しているが、何らかの形でW杯に関わりたいとの思いから開幕前の企画取材に加えてもらった。記者は「国民性から攻略法を探る」をテーマに、同リーグで対戦したドイツ、コスタリカ、スペインの現地事情に詳しい専門家に話を聞いた。

 日本代表が初戦で歴史的勝利を収めたドイツについて、同国の文化に詳しい二松学舎大の押野洋教授は次のように分析していた。「(旅行などで)万事計画的に行いたいのがドイツ人の特徴。ですから、ドイツ人はハプニングに弱いんですよ。想定外の事象に弱いのがドイツ人と言われています」。後半から攻撃的な選手を投入するなど、3バックに変更したことが相手の動揺を誘ったのかもしれない。

 そんなドイツ人には日本人との共通点も見受けられるという。開幕前の記事では紹介できなかったが、押野氏は「『日本人(ドイツ人)とは』『日本人(ドイツ人)の特徴は』というたぐいの本が多いんです。これは自国民のアイデンティティーに不安があるからでしょうか、絶えず自分たちの立ち位置を確認しておかないと不安なのかもしれません」と述べていた。

 一方でコミュニケーションは日本人と大きく異なると指摘する。

「自分の考えや意見をストレートに表現するのがドイツ人です。日本人は相手の気持ちを忖度(そんたく)して意見や考えをストレートに言わないこともありますが、ドイツ人は忖度が苦手です。自分の気持ちや考えをストレートに相手に伝えることが誠実さと考えています。また、子供が老人と同じ目線で議論ができるのがドイツ人。互いに言いたいことを言い合って妥協点を探るスタイルなので、相手の意見を否定したとしても、否定された方は根に持って引きずることはないんです」

 コスタリカ、スペインも含めて大学教授の「国民性」に関する説明は非常に興味深く、ついつい学生に戻った気分で耳を傾けた。日本代表のさらなる活躍を祈りつつ、他競技の国際大会でも同じようなテーマで取材してみたいと思った。

(一般スポーツ担当・小松 勝)