フィギュアスケート男子で五輪2大会メダリストの宇野昌磨(24=トヨタ自動車)は、コーチからのひと言に救われた。
グランプリ(GP)シリーズ第5戦NHK杯(18~20日、北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)を前に行われた17日の公式練習では、思うようなジャンプができず「練習の中で自分へのイラ立ちが目立っている」と明かすなど、精神的に不安定な状態となっていた。
その様子を見かねたステファン・ランビエルコーチは、公式練習後に声をかけた。「ちょっと時間ある?」。レストランで約10分間話し合った。「今日までやってきたことをちゃんとやろう。完璧を求めすぎずに、完璧は一つひとつやってきた先にある」。宇野も頭では理解していたつもりだった。ただ、外の視点から指摘を受けたことで「うれしかったし、再びスケートと向き合うことができた」と失いかけていたモノを取り戻した。
18日に実施されたショートプログラム(SP)では、2本目の4回転トーループで転倒するも「なんか練習をしてみて、本当に意味がない」と話していたほど不調だった4回転フリップを着氷。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も決め、91・66点で2位につけた。演技後にはランビエルコーチから「君よりの僕の方がナーバスになっていたよ」と言われたといい、宇野は「そういう練習をしていたので、申し訳ない」と苦笑いを浮かべた。
紆余曲折があったとはいえ、復調の兆しが見えてきた。19日のフリーは「どんな演技がしたいかは僕にもわからないけど、今はすごいプラスな気持ち。SPのようにちゃんとした演技がしたい」と言い切った。GPシリーズ第2戦スケートカナダに続く優勝を狙える〝心技体〟が整った。











