プロ入り後としては初の侍ジャパン入りした阪神・中野拓夢内野手(26)に、球団内からは「今回の代表での経験がいい機会になれば」と来季の課題改善への〝きっかけ〟となることを期待する声が上がっている。

 2年目の今季も不動の遊撃手として135試合に出場、打率2割7分6厘と主に1番打者として、リーグ3位の157安打、同4位の23盗塁とレギュラーの重責を担った。一方で侍ジャパン関係者は「さらに数字を伸ばせる選手。毎年、3割打って、何度も盗塁王獲って」とし、まだ〝伸びしろ〟があることを指摘する。

 この部分は、球団関係者も共感する部分で、そのために来季へ向け、さらに磨いてほしい分野が、今季3割1厘だった出塁率。「1、2番を打つなら(出塁率で)3割5分は目指してほしい」(球団関係者)という。

 今回の侍ジャパンメンバーには、そんな中野の〝お手本〟となる選手がいる。代表でも守備走塁のスペシャリストとして今季、出場80試合ながら代表入りのソフトバンク・周東と、日本ハムの通算打率3割超えの安打製造機・近藤の2人。侍関係者も「将来、この2人のいい部分が中野にも出るようになれば、もっとすごい選手になる」と、潜在能力を高く評価する。

 吸収すべき2人に共通するのは、出塁率アップにつながる選球眼だ。

 前出の侍関係者は「四球の数(18)を中野がどう考えるか。盗塁は中野(23)も周東(22)も変わらないけど、打席数が倍ぐらい違う(中野610、周東318)。周東は打率2割6分でも出塁率は3割2分4厘、近藤なんかは400(396)打席で66四球で、打率が3割ちょうど(3割2厘)でも出塁率は4割(1分8厘)。来年(中野は)四球を増やせれば出塁率は上がるし、走れるチャンスも確実に多くなる」と指摘する。

 初の代表入りに「いろいろ吸収できるところは吸収して、何か成長して帰ってこれれば」と意気込んでいた中野。わずかな時間ではあるが「打って、走れる」球界トップレベルのプレーヤーにまた一歩、近づく契機となったか。