惜別の拍手が鳴り響いた。今季限りで現役を引退する日本ハム・杉谷拳士内野手(31)が5日、東京ドームで行われた侍ジャパンとの強化試合でプロ14年最後の打席に立った。
2点を追う7回無死一塁、代打で登場。打席に入った杉谷の目はすでに真っ赤だ。2番手・高橋と全球ストレートの真っ向勝負で3球目の150キロを一塁線へ弾き返すも痛烈な打球は惜しくもファウルゾーンへ。スタンドからは大きなどよめきが沸き起こった。
最後は追い込まれてからの4球目。149キロ高めの直球を打ち上げて右飛に終わった。万雷の拍手に包まれる中、杉谷はヘルメットを掲げて応え、一塁側ベンチでチームメートに迎えられると涙がこぼれ落ちた。そしてビッグボス新庄監督と抱擁を交わしながら、顔をくしゃくしゃにして号泣。三塁側ベンチに陣取っていた侍ジャパンの面々、前日本ハム監督で恩師の侍ジャパン・栗山監督も大きな拍手を送っていた。
試合後はマウンドに集まった日本ハム、侍ジャパンの選手たちから胴上げされ、宙を舞った。14年間の現役生活にピリオドを打った杉谷は「正直に言うと長かったなという思いがありますし、こうして自分の歩んできた野球の道が間違ってなかったかなと思う一日になった」とすがすがしい表情を見せた。
そして40712人の大観衆に見守られながら最後の打席を迎えたことについては「その前からいろいろチャンスはうかがっていたんですけども、新庄(監督)さんと話し合いながら『一番盛り上がるところにしよう』となって。あの場面で『ここでいくか』となってTBSさんに申し訳ないんですけど、地上波の放送が終わってしまって…(実際はテレビ朝日系列で放送)。まあ、それもそれで僕らしいなと思いながら『ヨシ、切り替えてやろう』と思いながらネクストバッターにいました」と明かして苦笑い。自身が打席に入る前に地上波放送がタイミング悪く終了してしまったことを〝謝罪〟する一幕もあった。
最後は「野球を通じてたくさんの方から勇気と元気をいただきました。また日本中の皆さんに勇気と元気を与えられるような存在になりたい。今後野球界にどういう形で恩返しができるのか。前進して国内外いろんな形でスポーツ界に貢献しようと思っています」と結び、晴れやかな表情を浮かべていた。











